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Unlimited【ダンまち】

第16章 悲鳴





2800年もの月日の内、ヘレイオスの子孫の家は二分されていた。


ヘレイオスの血筋を色濃く受け継ぐ者は首飾りが代々引き継がれていく。

その見分け方はただ一つ。
この世に産まれた時、首飾りが強く光輝くことだった。

そしてそれは15歳、成人の誕生日を迎えた折に与えられる。


避難してきた小人族は他にもおり、その人との間に生まれた子は長女、次に長男。

長女の血筋は例の首飾りが強く光輝いたことから『直系』とされ、ケイトの生みの祖父、母親、その妹と続く。
よって長男の血筋は分家にあたり、ケイトの生みの父親の兄、ケイトの生みの父親と続いていった。

その祖父母は例の化け物疑惑の際に殺されて死んでおり、ケイトの両親は殺され、姉も殺された。
今もなお生き残っているのは『母親の妹と父親の兄』の家族であり、殺されることを予期してケイトの受け入れを拒んだ家族でもあった。


結果としてヒューマンの中でも増長していない者達、ひいては数少ない革命に対する反対派が受け入れ、ケイトは護られた。

もはや英雄の血筋を棚に上げた暴徒と化した彼等彼女等が、容易く殺そうと動けない理由。
それはオリハルコンの生成技術、ひいてはオラリオとの貿易の中枢をなしていたからこそだ。

急にヒューマンの女性数人から友達だと言われて買い物に誘われ、連れて行かれた時にはお金を取られかけた。←252ページ参照
そのことを受けて、箱入り娘の如く買い物にも行かせないようにされ、買い物の仕方も知らないまま大きくなった。←56ページ参照

基本は外に出ないようにされながらも知識を与えられ、少しずつ心や感情を取り戻して、明るい表情を見せるようになっていった。



それを面白く思わないのが革命賛成派、ひいては暴動を起こして街長となった彼の子、ケイトの同期であった。

彼等は父の影響からか何かとケイトを目の敵にしており、父親が動かないのであればとその家族を殺したのだ。


こうして封印が解除されて悲劇が起き、賛成派の首脳陣の家族は全て皆死んでいった。

が、僅かでも残っていた賛成派につられて護り続けているケイトに向けて、横柄な態度を取るに至ったのだった。←43,44ページ参照


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