第3章 家族として
買い物に付き合う気満々のティオナ、ティオネ、アイズ、レフィーヤに対し
あまり乗り気でないベートは晩に合流すると言われて去ろうとされた。
でもその前に、伝えたかったことを…ちゃんと伝えたい。
ケイト「待って!」
ベート「あ?」
ケイト「言え!言うんだ!
皆はちゃんと、自分の想いを伝えてくれただろ?
今伝えないでどうするんだ!!(ぎゅっ))
……あの、さ…実は…記憶取り戻してから、色々不安だったんだ。
急に事情が分かって、色んなものが見えて…いっぱいいっぱいになって。
助けなきゃって、護りに行かなきゃって…視野が狭まってた。
厄介者の自分なんか死んだ方がいいから、って……」俯
フィン(やっぱりそうだったか、やれやれ)溜息&苦笑
アイズ「そんなこと!
ケイト「大丈夫!」
アイズ「!」
ケイト「ちゃんと…わかったから。皆の気持ち(涙目&微笑)
だから…ありがとう。
受け入れてくれて…ありがとうっ…(ぼろぼろ)
捨てないで、くれて…必死に駆けつけてくれて…大切にしてくれて…本当に…ありがとうっ…ひっく」ぼろぼろ
『……』
不意に涙が溢れた。
それまでが受け入れられなくて当然だったから。
両親が街の人達と一緒に化け物扱いして接してくる中、姉だけは優しく接してくれた。
育ての両親と妹だけがそうしてくれた…
それと同じ温かさが、とても嬉しかったから。
ロキ「何言うとんねん。
そんなん…やる奴ここにおるわけないやろあほおおおおおおおお;;;;(ぶわっ!)
ほんまは泣くほど辛かったんやよなああ。泣けなくなるぐらい感情ぶっ壊されてたんやもんなあああ;;
よーしよしよし、少しずつ学んでいこうな。少しずつでもいいから身に付けてこうな。大丈夫やからなー!;;」涙
抱き締められて頭を乱暴に撫でられる中、思った。
ああ…そうか……何で、気付けなかったんだろう。
どうして…わからなかったんだろう。
精霊はずっと、言ってくれていたのに。
自分というものを持っていいんだよって、言ってくれていたのに。
ケイト「受け入れてくれる人がいるなんて…当時は、知らなくって……
ホント…ごめん、なさいっ;;
ごめんなさっ;;;えっぐ;;;ぅえっ;;」
そんな私を優しく抱き締めてくれたのは、アイズだった。