第16章 悲鳴
彼女自身(ケイト)が好かれており、馴染んでいたのは言わずとも彼等彼女等の様子を見ればすぐわかる。
心配して、何度も合間を縫って見舞いに来ようとしている時点でそれは明白。
だが、限度というものがある!
こちらとしてみれば治療の合間に何度も何度も来られて、治療そのものを邪魔されるようなもの。
オラリオで一、二を争うほどの大規模ファミリア故に
付き合いとしても比較的長い方であるが故に、それを無下に追い払えない。
しかし今は状況が違う。
それに構っているほど暇ではないし、切迫した今の現状としてはその余裕もない。
その結果…堪忍袋の緒が切れたアミッドによって
「一目面会したい」、「大丈夫だろうか」、「手を握って応援してやりたい」と口々に言うロキ・ファミリアは、揃いも揃って皆追い払われたのであった。
その彼等彼女等の中には、アイズもまたいたわけで……
アイズ「…アミッド」
アミッド「状況は変わっていません。
それと…このようなことは言いたくはないのですが。
本当に彼女を生かしたいのであれば、治療にとって邪魔となる行為は控えていただけませんか?
面会ができるほど回復できれば、真っ先にロキ・ファミリアへ知らせます。
なので、それまでは…」
アイズ「…うん。わかった…
その、ごめんね?;」おず&汗←申し訳なさそう
アミッド「いえ。いいんです。
彼女自身、あれほどの環境の中でようやく巡り会えた。
それほど心配されていることもまた、好意の証でしょう。
彼女の英雄譚は私も読みましたし、彼女への理解もしています。
それはきっと、あなた方もそうなのでしょう。
ですが…あなた方以外にもロキ・ファミリアの面々が来ているんです!!
明け方に!朝に!昼に!夕暮れに!夜に!夜中に!!
別々のメンバーが次から次へと押し寄せ!これでは気が休まることもありません!!
治療に専念などできると思いますか!!?」
アイズ「ごめんなさい;」ぺこ
そのアミッドの怒りの叫びに、ようやく彼等彼女等は気付いた。
逆に、その心配が故の行動が治療の邪魔になっていたということに。