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Unlimited【ダンまち】

第89章 堆魂の儀(ついこんのぎ)





ラウル「アキ…」

アキ「?」青ざめたまま

ラウル「手…握っててくれっす」
アキ「え?どうして
ラウル「いいから!!

…頼むっす」

懇願するような表情で、画面から目を逸らさずに震えながら言うそれに…
アキは静かに頷き、ラウルの左隣から動かぬまま手を繋いだ


ラウル(団長…ケイトさん…皆……)

お前を信じろ――

口々に伝えられた想いに、寄せられる信頼に、涙が止まらず、咽び泣き…すぐに右腕で乱暴にぐしぐしと拭き、顔を上げた


団長になる前も、それまでも…すぐに無理だ無理だと言う自分に、勇気をくれた時のこと…信じてくれた時のこと……団長になった時のこと、やり取り……それらが鮮明に脳裏によぎる

思考中によぎったのが、団長になる直前のやり取りであったこと…それも含めて……


ラウル(少しでいい!!
俺に…勇気を!!!!(がちがち)←歯がかじかむ

このまま――あの人達を失ったら…何の為に生きてるんすか
何の為に守ってもらったんすか

あの人達に貰った命も、想いも、何も返さないで、今返さないでどうすんすか!!!!!


動け!!!!
動け!!!
やれることは全部!!!
嘆くのも!泣くのも!!全部終わった後っす!!!
今やらなくてどうするんだ!!!!!

漢を見せろラウル・ノールド!!!!!!!←震えが止まり出す


あの人達を守れ…死なせるな!!!!
これから俺がすることなんて、あの人達がすることに比べたら屁でも無いだろ!!!!(ふるふる)

安全圏で守られるだけか?そんなのただの糞以下だ!!!!


根性――見せろ

情けなくてもいい…惨めでもいい!!!!
あの人達に応えられないくらいなら――今いっそ死ね!!!!!)←歯を食いしばり震えを押し殺す
すぅ~!!!!!!←息を大きく吸い込む

その瞬間――歴史は動いた


腕時計の思念伝達機能をオンにし
今生きとし生けるものの全体に向けて、声を大にして叫んだ


ラウル「何の為に守られたんだ!!!!」
アキ「!
ラウル」
突然の怒号に目が集まる


下手をすれば社会的信用も失う
しかし…彼は言葉を緩めなかった

二重の恐怖に迫られながらも――


ラウル「今俺達が生きているのは誰のお蔭だ!?
あの人達が守ってくれたからだ!!!!」
為す術も無く血を流しボロボロになってゆく8人の姿を映し出す画面を指差す


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