第15章 人造迷宮
ケイト「毛布、を…」
ティオナ「!!何?」すっ←耳を近付ける
ケイト「下に、ある…毛布……取って、くれ」
息絶え絶え、今にも死にそうな…そんな風に見えてしまった。
ティオナ「わかった。動かすよ」
そっと抱き締めた後、静かに上へ持ち上げ、毛布を抜いた。
ティオナ「抜いたよ。それで、これどうするの?」
ケイト「それを…外に、投げてくれ。
モンスターの、狙いは…魔力を有したものだ。
その血には…嫌ってほど、込められてる。最後の…魔力、が。
狙いはそっちに向くはずだ」
ティオナ「なるほど!わかった!」
ケイト「できる限り、道の本数の多いとkごふっうえっふぜーひゅーひゅー」
呼吸の様子が浅く激しいものから、さらに浅く緩やかな弱々しいものへと変わっていった。
ケイト「ごめ…ん」
リヴェリア「もう喋るな!」
ケイト「ごめん…ね……もうちょっと……一緒……
あれ…目が、霞んで……どこ、だっけ…ここ」
レフィーヤ「しっかりして下さい!!」
ケイト「ご…め……せめ、て…地上で……また…宴…でも……」
クルス「しますよ!!」
ティオナ「するに決まってるでしょ!!?」
ラウル「ケイトさんのお陰で生還できたも同意義なんすからね!!?」
ケイト「そう…だっけ…?……私は…皆がいなかったら…人類、憎んでた。憎んで、殺し回ってた。
もしくは『自分なんて死ぬべき存在だ』って…勝手に一人で決めつけたままだった……
生還できたのは…皆の…おか…げ…げふっごふっ」
アリシア「もう喋らないで!!!」
フィルヴィス「頼む!死ぬな!死なないでくれ!!」
口々に悲痛な叫び声が響く。
ティオネ「てめえコラ…ふざけんな!
死ぬな!!!死んだら絶対に許さないからな!!?
団長悲しませんじゃねえ!!!」ぐいっ!!
フィン「落ち着け!ティオネ!
胸ぐらを掴むな!!ただでさえ呼吸し辛いのに首が締まる!」
リヴェリア「爆太郎、ドン、急げ!!治療院へだ!!!」
アイズ「待って…死なないで!!」
地上の光が段々と強まっていく中、それとは対照的に目の光は逆に段々と陰りを占めていった。