第3章 家族として
ケイト「でも精霊寵愛って…部位ごとで回復にかかる時間が違うんだね」
ロキ「そうやな。瞬時に全快しても傷が多過ぎると回復が遅なるみたいや。
うちらが駆け付けるまでは急所を辛うじて避けてたんやろうけど、最後の階層主で避ける気力もなくなってたんか?」
ケイト「う…あの時は意識が朦朧としててそれ所じゃなかった;
でもこの感じはクリエイトの魔力と同じだね。
白くて、ロキが勘違いするほど神々しい…何でだろ?」
白い光の粒子が展開している中、それを見つめながら疑問を呟いた。
ロキ「龍神様の娘やからやろ。
神の力は無にできても、元々ケイトの魔力は周囲の空気を浄化させたり癒やして温める性質をもっとった。
その龍神様は龍神の中でもトップ(王)の透明、光を司るもんでな。
血統上は父親の因子を受け継いだかのように巧妙に誤魔化しとった。
そこまでわかったのが、つい3日前に行われた神会での内容や。
それでも…廃人と化す可能性は五分五分やった。
それを憂いた龍神様は、あんな父親のと血が繋がって欲しくのおて、あんな純粋な魂が穢れて欲しくのうて、つい魔が差してしもうた。
と、あっさりその龍神様が吐きおった。
今頃罰として、神の数が減って滞ってた「死者の魂を導く仕事」のデスマーチを天界で続けてる頃やろ。
その結果、ケイトの魔力の密度と器が普通の人とは段違いになった…っていうのが全貌やろうと、うちら(神達)はふんどる。
緊急事態っちゅうことで神会開いて話し合うてな。
悪いけど…過去のことはばらしたで。走り出そうとするまでだけやけど」
ケイト「!え?」
ロキ「隠そうとして隠せるもんやなかったからな。
精神崩壊を起こして記憶喪失になるほどのそれに見舞われたことも、それでもなお人を憎しみのままに殺そうとせんことも、
その経緯を経て《フール・ハーディ》っていうスキルが発現したことも、クリエイトで作り出した水晶で記憶を見て取り戻したことも…
もちろん、うちのファミリアじゃなきゃ自分を取り戻すのは無理やったろうってこともな」にや
フィン「そうすることで神による君の奪い合いから護ったんだ、ロキは」
ロキ「そうや!たんと褒めてや?」ふふんっ
ケイト「ありがとうございます!!」ぺこり
褒めると言っても、礼を言う以外に選択肢がない。