第88章 神聖たる導き
7月9日――
それは――始まりの日―――
全てがひとつとなりて、全てを守り抜いた、皆が英雄となった比類なき日――――
人類の新たなる旅路への、大いなる一歩―――――
その日、歴史は大きく揺るがされる――――――
人類、皆の手によって
7月9日(冒険者107日目)
その日から…復興作業が始まった
無事だった都市は4つのみ
神国に所属する、神都コクーン、精霊の都アルルェーチェ、水上都市オルガノ、竜の都(みやこ)もとい竜生街←4853ページ参照
属国、火の都オリンピア←4345ページ参照
同盟国、世界樹の挿し木(後に苗木となる)を与えられたアルヴの王森←5094,5156ページ参照
オラリオは当時属国に無かった為、神国製の神殿と分店と英雄橋のケイトの英雄像のみ守られた←5257ページ参照
属国となったのは融和時代となった後…迷宮の管理を任されることとなったが故に、『迷宮の都』と呼ばれることになる
ムー連邦とテラン国は言わずもがな無事で
ムー連邦は原初の始祖神の精霊界、テラン国は異空間の地底空間にあるから
並びに、全ての精霊界は全て無事だ
後に――この日を境に、ムー連邦が支援を申し出て協力を得たことで、それを結ぶ水上都市オルガノは『聖都(せいと)オルガノ』と名を改められることとなる←4330ページ参照
その日――8本もの金色の光が上空から降り注いだ、原初の神々8柱へ
それは人類によって終末を齎す存在と化した原初の精霊から受けた傷を癒やし、散り散りになった8柱を集めて繋ぎ止め、その身を守った
人類の意思、生きたいと願う想念が、自ら奇跡を引き起こした
全ての生命、世界中のありとあらゆる存在全ての想念がひとつとなったことに伴う『奇跡』――『遍く命の光(トリリオン・ライト)』として10万年が過ぎた後世に渡るまで末永く語られる
その光景を残さんと、今も画家達は挙って筆を執っている
協力し合い、筆を進める中…その絵画は『トリリオン・ライト』と名付けられ、語り継がれることとなった
原初の精霊は…倒(浄化)されなければ世界全てを滅ぼしていたから――
その日を境に――人類の滅亡が5000年毎に訪れていたループが閉ざされた
脅かされることのない平穏の証として、名を残されることとなる
滅亡の歴史――それを食い止めた奇跡として