第15章 人造迷宮
フィン「ありがとう…そして、すまなかった。
護ると約束しておきながら…護れ
ごんっ!!!!!(フィンの脳天に仕返しとばかりに右拳を振り落とす)
ケイト「よし、赦した」
フィン「…それだけ?;」
ケイト「今後の行動で示せ」
フィン「…ぷっ」
ケイト「これフィンからの受け売り」片目瞑&にや←48,49ページ参照
どこかで聞いたような言葉に思わず吹き出して笑う中、ケイトもまた笑みを返した。
もし…もしも、ケイトが普通の人だったなら…死んでいたかもしれない。
あの時…そう思った。不安に押し潰されそうになっていた。
失うと考えそうになったあの時、恐怖が止まらなくなった。
と同時に、それを怒りが捻じ伏せた。
護ると誓った。その為に結婚したいと願った。
僕にとっての精神的支柱は君なのに…傷付けさせてしまったことが不甲斐なかった。
僕個人の失態だ。肝心な所で隙を作ってしまった。
庇わせて、傷付けてしまった。
そのことが…申し訳なかった。護れなかった自分自身に、ただただ腹が立った。
ケイト「は……は………」
おかしい…ハイ・ポーションを飲ませたはずだ。
なのに何故…そんなにも、息絶え絶えになっている?
リヴェリア「…ケイト、一つ尋ねてもいいか?」
ケイト「え?」
リヴェリア「何か欲しいものはないか?」
ケイト「……造血薬…ある?」
リヴェリア「済まないがない。というより、持ってきてはいない。
それよりも…気になることがある。
呼吸が浅くなっているように感じるのだが、何か隠していることはないか?」
地上の光が近くなる中…
ケイト「……」くしゃ
顔面が崩れるかのように、彼女は破顔した。