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Unlimited【ダンまち】

第88章 神聖たる導き





原初の始祖神と相性の悪いものから順に生まれ続けてゆく

それは……


癌だから



消すべき対象のものだから……



嫌えば嫌うだけ、実在化の影響は弱まる

だが…
癌にならない限り消えないように、そう出来るだけの強い力を送っているからこそ成し得ているだけだ


そしてそれは…嫌うものには、原罪を抱くものが多い

圧倒的に――



だが……主犯格のみ、好意を寄せる傾向にある…――保身の為だけに……



そして……
何かした(罪を犯した)もの(4603ページ参照)には、マーカーが付けられ、厳重に監視される

本質(創世神の主人格)を見抜けもせず、仇返ししかしてこなかったものの証として――


何をしようとも消えない、魂が何度生まれ変わっても消えない
罪人の証を――

陰でやっている者達も同様なのだとか


わかりやすいように真っ黒に染め上げられているんだと…



そりゃ母体に好き勝手すれば己も皆も寿命を縮めるのだから当然か



削れてゆく…何もかもが……

力無く背から落ちてゆくケイトが浮かぶ


白い背景の中…
ひとりたたずむ

その中で、左手を見つめると
散り散りに光となって、溶けてゆくように削れ落ちて散ってゆく

方方に…散り散りになって……


ケイト『俺は…俺らしく、いられているのかな』

削れ落ちてゆく中…
補填する術も無く、立ち尽くす


その折、クゥーが左腕の上に降り立ち
玄武が静かに頭を腰に押し付け
黒龍神が魂から出てきて双眸を見つめ
神器が水となって出てきて腕に纏わりつく

そして最後に…原初の始祖神の分体が、白い狼の姿を模して、流尾となって、額に鼻先を擦り付ける


『ひとりじゃないよ』

クゥーが静かに寄り添う
左腕に乗ったまま、頭を左頬に引っ付けて擦り寄る

それに…ケイトが泣き崩れるのが見えた


もう、痛みも何も感じない



死ぬのかな…自我も、記憶も…心すらも無くして……


そんな想いから来る吐露だった



削れ落ちた自我は、二度と戻らない

心が生み出す自我は…
ひとつだけ


それも……二度と同じものは持てない

出来た直ぐ側から消え落ちてゆく



記憶も…同様に……



リヴェリア「自我の消滅だ」←4377ページ参照


リヴェリアはその時から知っていたのだろうか…



こうなることを…………


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