第15章 人造迷宮
フィン「くっ!(間に合わない!」
アイズ「フィン!!」ごぉっ!!←風を纏った剣をフィンに向けて振るう
フィン「!ああ!」ばっ!←空中に跳ぶ
アイズ(間に合って!!)ぶん!!
エアリエルの付与された剣を足場にフィンは跳躍、ケイトの落下地点へと風と共に加速した。
受け止めた後、着地するまでの間に気付いた。
ケイトの両手足の先の空気が凍りかけている。
白く空気が凍る様を見ながら、フィンはその理由に目星を付けた。
フィン「触れるな!
手足の先を見ろ」
リヴェリア「!凍っているだと?」
目に映ったのは…ケイトの手足に触れている壁がピシピシと音を立てて凍り、その範囲が拡がっている所だった。
フィン「恐らく周囲の魔力を使って無理に魔法を行使したんだろう。その副次影響がこれだ。
炎で燃やすとしても焼け石に水だろう。余程強力な魔法でもなければ」
ドン「きゅー!!」
ぼおおおおおおおお!!!!
『!』
火を必死にケイトの両手へ向けて吹き、5度目の時に制止をかけた。
凍らないのを確認した後、温めることにした。
両足もまた同様の方法で治した後、馬車の中へと運び込んだ。
アイズ「フィン。伝えたいことがある」
フィン「何だい?」
アイズ「精霊が言っていた。イシュタル、タナトス、イケロス、ダイダロスの末裔って」
フィン「…それはケイトからの伝言かな?」
アイズ「うん…そう言っていた。
それと上に向かえ。ダイダロス通りに出るって」
フィン「そうか……」ちらっ
未だ血を吐き続けるケイトを視界に入れながら、考え込む素振りをした。
そして出した指示は…
フィン「敵の不壊属性、及び呪道具はケイトの魔法によって取り払われた!
扉を失った今、ここはもう本拠地としての役割を果たせないだろう。
総員撤退!!
調査は明日だ!引き際は今しかない!!」
その言葉に皆は頷き、馬車に乗り込んでそのまま真っ直ぐに進んでいった。
目指すは光の先にある地上、ホーム――