第87章 神化(しんか)
この世を消す
霊体はそのままで、それ以外を消すと決まった
創世神の親を殺し1000垓もの魂を殺し無限もの世界を消し創世神を除く全てを消した「癌と隠れ癌」を消してから…その再来を防ぐ為にも――
「その原罪を宿したままである前科者の魂=癌と隠れ癌」に、チャンスを与える為に整えられた環境、世界では…その全てを消した後に、そのまま放置しておけば、「癌と隠れ癌」と同じ次元に到達しても大丈夫になってしまうから
新体制になるまで――残り僅か……
「小人族の癌」は、生きる為に犯罪に手を染めることに慣れ躊躇しないようになった、それをしないと生きられなかったから…冒険者と見るや仕打ちを受けるべきものと、「今後もパスパレードと盗みを正当化して繰り返し続ける」為に、見極めようとすらせず思い込んだ
リオン・リードは…自分の為に、街で要職に就いてまで助け出してくれた
人間が、私の持つ再生する力を手に入れられる成果が出るまで…いつまでも耐えられるのをいいことに、無限に続けられる実験という名の拷問の中で……
それに待ったをかけてくれたのが、彼だった
助け出す為に、彼は自分の未来を決めた…そして――その時に革命の反対派として名乗りを上げ、街を出る最後の瞬間まで貫き、動き続けた
最期の瞬間まで見守るつもりで、ピアスに精霊に宿ってもらい録画録音してもらっていた
生体反応が無くなれば止まり、それを通達するようにと
死んだ瞬間に察知出来た理由はそれだった←5183ページ参照
そして…デメテルが着いたのはその泣き続けた三日三晩が過ぎた後、手紙を受け取って更に慟哭を上げ続けた←5187,5188ページ参照
『いつか…お前の憎しみが晴れるといいな』←5185ページ参照
小人族の癌への、兄さんの想いを無下にするのと同じ行為だから…出来なかった
やれる存在だと言うようなものだし…そうなってしまえば、胸を張って会えないし、何より顔向け出来ない、合わせる顔も無い
笑って、あの世で生き切っただなんて言えない…そんなのは嫌だから……
だから決めた…誰にも言わないと……だから言えなかった
「小人族の癌」にとっての「白髪の癌」だ、だからヒューマンの体躯になっていたと説明しても――言い訳して正当化し続ける有り様だった…それにケイトは涙するしかなかった、哀れだな、と