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Unlimited【ダンまち】

第87章 神化(しんか)





だがそれは同時に…
癌と隠れ癌になっても一度はチャンスが与えられる、という現在の体制を変えるということ

つまり…癌と隠れ癌になればその時点で終わりに直結する、という体制に切り替わるということを意味する


この世が無くなればどうなるか…

まず、霊体というものが無くなる
霊体とは、蓋であり、フィルターでもある

癌の闇を跳ね除けて身を守り、更には魂を浄化してくれる大事な免疫機構
それが無くなるということは…

自転車で例えると、補助輪付きの自転車から、世界一速い超重量級バイクを一発で乗りこなせと言っているようなもの
段階をすっ飛ばし過ぎているので、どう変えようかと議論が絶えない状況が続いているらしい


チャンスは一度もない

二度目があったが、それも無くなる
自分のしたこと、たった一度で消える罰を与えられることにもなり兼ねない
更に言えば…生まれたその時点で消される『控え』に載ることとなる



その為…『霊体はありにしたままで、癌として消すタイミングをずらすように出来ないか』といった案が出始めていた(清浄神発案)



賛成8ですぐ可決となり、新体制では『魂か霊体、どちらか一方が癌となった段階で消す』と話が纏まっていた(旧体制では魂と霊体の双方が癌となった段階で消す)

念の為に言っておくが…この世は残しておく
しかし、それは……中身だけであって、全てでは無い


中身の無い癌を生み出す体制を全て撤去し、それ以外を残すといった



この世を消す―――

安全装置(霊体)はありのまま、これまで通り自然と学びを得られるよう環境作りに勤しむつもりらしい
ただし…今度は、神という監守(見張り番)が付く


滅神が消す体制は変わらないが
生み出し、残してきた、営みという名の歴史、その全てが…「癌」を生み出し、「隠れ癌」を生み出し、育んだ、守った
それがこの世だ
だからと言って全てを無下には出来ないと…
全てを消す行為は、そうでない者達まで軽んじる行為だからと……

この世の「癌を蔓延らせ善と歪める慣習」を徹底的に排除しないと、「癌」が次々にまた生み出されイタチごっことなると
「それ」を行った時点で、「癌に加担した者」となり、「隠れ癌」となって消滅の対象となってしまうから


「神へ加害して悪と歪める慣習」もまた癌の源だが、緊急を要するのは上記の為、略された


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