第87章 神化(しんか)
しかし…リヨン・リードのことが過去を映し出す水晶に載ることは、同時に、小人族の癌が持つ魔法と罪が世界中に知れ渡ることを意味する
その為……慕ってくれているそれを、今は繰り返していないことから報せる必要性も見出せず、冒険者にとって商売道具である魔法やその内容をも晒すことで生活にも支障を及ぼすことにもなり兼ねない
そういった意図から…映らないように、知らせないようにも気を付けていたようだ
ただ…嫌いとだけ伝えていた……憎しみや怨嗟は晴れることなく燻ぶり、永遠に抱えて胸の内に秘めて生きて行くつもりだと語った…一生許さない、私の魂が死ぬまでずっとと
だから……デメテルを手助けする時はいつも、たまたま出会った体を装っていた…過去を映し出す水晶にも映らないから……
リヨンへデメテル・ファミリアに出会わせ所属出来るように導かれるように入れた理由は…
来たるディオニュソスによる残虐な人質作戦を失敗に終わらせる為の、天からの布石だった
だが…癌達は挙って、悉くそれらを完膚なきまでに全て叩き潰して回っていた
そのこともあってケイトに皺寄せが行きLv.6になるよう鍛え上げていた←2347ページ参照
全体により良い様にする為の、『天からの布石』…
『お導き』と呼ばれるそれは…
その『中身(心)』を慮れる、『人を見る心』を持つものであれば、躊躇して潰しそうになる前に踏み止まれる
しかし…「そうでない持たないもの(癌と隠れ癌)」であれば、躊躇なく踏み潰せる…その中身も見ずに勝手に歪めて
『人を見る心』という…『人のことを考え慮る優しい心』を持ち合わせていないから
「人を見ない心、中身の無い魂」として…完成してしまっているから……
ケイト「お兄ちゃん!兄さん!!」
リヨン「ん?」
ケイト「聞いてよ!
折角できた野菜!守り人の皆が食べちゃったんだよおお!!」
むすーっ!!!
腕組みし赤い頬を膨らませてぶんむくれるケイトに…
ぶふっと吹き出しながら、その頬をつまんで息を抜かせて満面の笑みで笑い掛けた
ケイト「守り人ったらなんて言ったかわかる?
「済まん、あまりにもおいしそうで」ってさ!
また食べられた~!!」ぷーーー!!!
リヨン「可愛い^^//」ぶくくっ!!
ケイト「聞いてるの兄さん!!」
リヨン「聞いてる聞いてる」ぷるぷる爆笑