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Unlimited【ダンまち】

第87章 神化(しんか)





それを受け取ったケイトは


ケイト「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
兄さあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」

泣き叫ぶ外無かった


滂沱の涙が止め処なく溢れては止まらず、慟哭が喉笛を涸らすまで上がり続けた



何より愛しい、初めて大事にしてくれたヒューマンである兄の、最期に残した手紙を、形見を、胸に押し当てるように抱き締めながら……



簡素な封筒に詰められた
一枚の紙に書かれた文面

曾祖母の遺産は全て、土地も家も込みでリヨンに相続されていた


しかし…俺が死んだら、全てケイトへ相続してやってくれと遺してくれていた



だから……それも込みで、あの財産となった……糞野郎に悪用されることも鑑みて、デメテルに預かってもらっていた



デメテルは…リヨンが死んですぐ、一緒になって動き出してくれた……

そのお陰で…すぐ見つかったし、買い戻すことも出来た
そして……沢山の野菜と食材を持って、私達の元へ訪れてくれた
迫害されていることも知っていた、予め相談を受けて決めてくれていた

泣き止むまで、跪いて、目線を合わせて、そっと優しく抱き締め続けてくれていた

母も止めずに見守って、優しく背を撫でてくれていた


そうして…デメテルと縁が出来たケイト達は、安定した食生活を出来るようになっていた

でも街の人達が売ってくれない現状は何も変わらない為、
色々と節約しながらなんとかやりくりしていた



取り引きは1か月ごとで、3か月ごとにデメテルが直々に定期的に来てくれており、
家族を喪い、義父母に引き取られた時も…黙って聞いて寄り添ってくれた

温かく包み入れて、抱き締めてまでくれた…


兄が与えてくれた…結んでくれた、遺してくれた、大事な縁だった



だから常々気に掛けていたし、兄や私の恩人として大事に想っていた


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