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Unlimited【ダンまち】

第87章 神化(しんか)





リヨン・リード

彼以外にリードを継ぐ者はおらず、直系のものもまた同様だった


7月の始め
初旬頃にオラリオに来、恩恵を刻んでもらい冒険者登録を済ませた後
中旬に差し掛かった頃に、初めての迷宮で悪徳サポーターによって殺された

変身魔法を身に付けたばかりで、実に5度目の盗みだったらしい


5度ともなると、その手付きは慣れたもので

あっという間だったらしい



デメテル・ファミリアに入った理由は……


手紙に書かれてあった



ケイトへ

 元気にしてるか?
 俺は無事、目的であったデメテル・ファミリアに入れた。
 デメテル様はいい人で(女神様だから当然か)、革命反対派の俺や曾祖母、お前とその家族に何も売ってもらえず村八分に遭っていることや事情を説明すると、野菜を送ることと取り引きも今後して貰えると確約して下さったんだ。

 お前…6歳の頃から母親と一緒になって、精霊の森で畑作りを頑張ってたものな。人が入れると台無しにされるから。
 はははっ。「野菜をバクバク守り人(動物)に沢山食べられた!」って泣いて怒ってたっけな^^
 「やっと出来たのに!!」って、可愛かったなあ。あの時のお前の泣き騒ぎ!
 「最初の野菜はお母さんとお姉ちゃん(お供え)とお兄ちゃんにあげるんだ!」って躍起になってたって、お前のお母さんから聞いた時…すっごく嬉しかった。と同時に、すっごく誇らしく感じたんだ。
 お前のような優しい妹を持てて、すっごく幸せだよ。いつもありがとうな。
 お前は俺の自慢の妹だよ。従妹違いなんて関係ない。
 今後も、支え合って生きていこうな。

 互いに励まし合って、ここまで大きくなってきたけれど、俺に出来ることなんて些細なことばかりだった。
 けれど、今度オラリオからお前達の所へ寄るよ。そろそろ収穫時期なんだって。着くのは再来週ぐらいになるかな?

 沢山の野菜を抱えて、沢山の食材を持って、お前に腹いっぱい食わせてやるんだ!
 死なないからって、これまで通り少食で済まそうなんて思うなよ?
 大好きな妹には、誰より幸せになって欲しいし…何より、長生きして欲しいからな。
 お前が常々俺に言ってきたことだ。
 楽しみに待ってろよ!収穫が終わり次第、すぐそっちに行くからな!^^

リヨン・リード


机の奥に大事にしまっていたらしい
まだ出されていない手紙…


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