第87章 神化(しんか)
補足しておくと…
「小人族の隠れ癌(リリ)」は、ケイトの曾祖母の孫(5親等)=ヒューマンである従兄違いをぶち殺したらしい。
曾祖母の子は小人族だったが血が薄まった影響もあり、ヒューマンと子を残せた
その際に、曾祖母の孫にあたる子は遺伝的にヒューマンという種族となったとのことだ…
そのヒューマンの男性は7年前…ケイトが8歳の頃、24歳になってようやくひとりで旅に出た…
それは曾祖母から赦しが出たからだった…長年の夢を叶えに行ってもよいと……
曾祖母は、彼女の母の父がクロウ・リードで、彼女の父がヘレイオスの血筋だった
だからなのか――オラリオが安全な状態であることを見抜き、行くことを許可した
曾祖母「大変なことが待っている…死ぬことにもなり兼ねない…
それでも…行くんだね?」
孫「ああ!
俺は…俺の夢を果たす!
二度と…誰も、哀しまなくて済むように……
この立派な魔力で、力で…皆の助けとなれる冒険者になるんだ!!
そして――ヘレイオス街に錦を飾る…それが、俺の夢だから」微笑
その為に…頑張ってきたから
そう笑う孫に、曾祖母は、笑い返すことしか、頷くことしか出来なかった……
最期に…息を引き取った
クロウ・リードの来孫がケイト
クロウ・リードから遠戚と言われた理由はそれだろう←4186,4187ページ参照
そして…彼は、クロウ・リードの玄孫だった
ケイト程ではないが強い魔力を持ち、強い身体強化(魔闘)と護符を用いた東洋系の魔術を使えた
彼は、夢を見て「大抗争」の爪痕が未だ残るオラリオに訪れて冒険者となった
が…「ある悪徳サポーター(リリ)」に捕まり、武器を奪われ、無惨にも殺されてしまった
経緯としては…
『怪物の宴(モンスター・パーティー)』が起きた瞬間に、ギリギリまで察知出来ないよう妨害され
『怪物進呈(パス・パレード)』を行ってからバレないよう荷物を持ったまま離脱された
その際、同じく武器を奪われた仲間を庇って……
惨殺された……
それを…「彼女」は変身魔法を用いて冒険者から奪った装備等を売り払うという形振り構わないやり方で…冒険者に手当たり次第に仕返しをし、時には善良な冒険者まで殺していった
辛うじて生き残った仲間は、お金もちょろまかしていたことも含め情報を明かしてばら撒くことで同じ人災を防ごうとした