第15章 人造迷宮

ケイト「ぎり）何を考えていた？私は。

魔力が尽きた？もう戦えない？力がない？

ふざけるな！！）っ」がばっ

無理やり奮い立たせて身体を僅かに起き上がらせたその最中、食人花のツルが腕に巻き付いた。


ケイト（痛い…傷が疼く。

でも……まだ、全てが潰えたわけじゃない（かっ！））

されるがままに身体は動かず…杖は地面に刺さったまま。


それに来いと念じようとした瞬間、思いもしなかったことが起こる。

デミ・スピリット「雷ヨ、来タレ」

ばぢばぢばぢばぢぢぢぢぢぢぢぢぢ
ケイト「がっ。ああああああああああああああああああああああああああ！！」

デミ・スピリットが口を近付けてくるタイミングを見計らって攻撃しようとした瞬間、魔法をかけられた。
今の自分には精霊寵愛は働いていないに等しい。


ケイト「あ……ぁっ…がはっ……」

肺の中で止め切れていない出血から宙ぶらりんのまま咳き込み血を吐く中、気が遠くなっていく。


そしてデミ・スピリットの口が迫った次の瞬間


アイズ「リル・ラファーガ！！」

ツルを斬り飛ばされ、宙に舞う感覚にとらわれた。



パシッ！！
ケイト（……フィン？）

跳んでから横抱きにしてか、槍を脇に挟んだまま私を優しく、大事そうに空中で抱えてられた感覚が伝わった。


フィン「！！」どごっ！！
ケイト「…ぅ」

フィン「くっ」ぎり！
ぎぎぎぎぎ

食人花の…口？槍で防いでる？壁を、背に…？


ぱしっ！！

左足をツルで掴まれる感覚がした。


フィン「ケイト！！」
そうだ。まだ戦って（はっ！）

フィンの叫び声に我に返った瞬間、大口を開けたデミ・スピリットは自身の口の中へと放り込み、飲み込んだ。


喉が鳴る音と共に、笑い声が響く。

私の血に触れたからか凄まじい魔力と共に、上機嫌に高笑い声をあげた。



ぼごぉっ！！

次の瞬間、内側から膨れたかのように膨張し、口元が完全に凍って開け閉めも呼吸もできなくなっていた。


デミ・スピリット「？？？」

そんな静寂に包まれる中、声は静かに響いた。



ケイト「何故、飲み込まれたかわかるか…？

口を塞ぐ為と、声を出させない為！
そして…お前を内側から倒す為だ！！


クリエイト・アイスニードル！！」

内側から私は、デミ・スピリットに宿る魔力をもとに魔法を強引に発動させた。