第87章 神化(しんか)
そのケイトの光に、温もりに触れた時…闇が静かに鎮まった
あの状態(見た目は通常状態、光の奔流が円となって頭に付いてた)の名称…←4999,5000ページ参照
『光背(こうりん)』
どこから見ても純白の光の円が全身、特に頭の中心から腰まで発せられる光背(こうはい)
それに、こうりんというルビを振られた
原初の始祖神として、始まりの神様として、この世に降臨した時に見られた兆候だから―――
全ての自我を発揮した時の、全ての自我がひとつとなった証だから――――
厳密には頭光に振り分けられる訳だが…
本来であれば肩を少し覆うぐらいなのだが、
巨大過ぎる為、光背に振り分けられることとなった
純白の光の円は、頭の中心から腰までが半径であり、
光の筋に至っては全身所か全てを覆い尽くしている…
その光そのものが実在化の束なのだと知った
だから―――全てと繋がっているし、繋がれてもいる
たとえ――膜の引き継ぎはしていなくとも…原初の始祖神と繋がれていることで、その実在化を手伝うことで、全てと繋がっていることは変わらないから
だから…トリリオン・ライトが現実になった
どうにも仕様も無い不測の非常事態にでもならない限りは二度と絶対に使わないと約束していた
浄化が強過ぎるのもある
それほどに…ケイトの浄化、実在化の力が顕著であることも相まって……ケイトの、原初の始祖神の得意分野は…他者の力の強化だから
己の強化(赤)よりも『人の強化(緑)』、繊細な強化(青)よりも『飽和以上の超高密度な強化(緑)』
実在化とそれらの相性も相まって、途方も無い強大無比な威力となったという訳だ
最終浄化技と言っても過言ではない程の一撃必殺技となった
トリリオン・ライトに接触する左拳の一点のみに光背ごと凝縮され、『閃光のように!』という言葉と共に一閃が繰り出された
それは余す所なく、トリリオン・ライトを強化し爆発の如く光が全てを包み込んで――全てを浄化した
綻びもヒビも何もかも包み込むように―――
しかし…そのヒビは、綻びは、世界へ齎した全ては、人が傷付け壊したもの達……
だから…
どうにもこうにも仕様が無く、浄化が止めば全て元通りとなる
傷付けた元凶(張本人)が、まだ生きているから――反省もせず、過ちを繰り返すばかりだから―――