第87章 神化(しんか)
そして…肝心のケイトは僕の懸念(心配事)等、意に介さず…;
レイと一緒に空の旅を楽しんでいた
楽しそうに…
あの時(ミラーで映したフライト)の桜と小狼の時のように……
フィン「僕もやればよかったな…」ぼそっ&肩落とし嘆息
そんな呟き等意に介さず、神の力を使って透明化を駆使しながら世界中を飛び回っていく、幸せそうな二人を、水を差す訳にも行かず、僕は静かに見送る外なかった
守る訳にはいかない…
削る行為から守るということは、ひいては僕達の寿命を無くすこと
全てが消えることに直結する
かと言って守るとしても…精神を病まないよう見守ることぐらいしか出来ない
だから…言ったんだ
『何も守れていない』と――←5154ページ参照
言おうとしたんだ
だが…君は言ってくれた……
数え切れないほどの愛を、いっぱい貰っているよ
と
沢山の慈しみを、心配を、心遣いを、優しさを、温もりを、いっぱい貰っている
と
涙ながらに、訴え掛けてくれた
心の支えになっていると、涙ながらに伝えてくれた
止めどない涙が、教えてくれた
それほど痛切に、嬉しかったのだと
どんなに痛くても耐えるし、それごと包み入れるぐらい、受け容れられるぐらいに、大事だし、大事にしたいのだと
その想いは僕も同じだった
だから許容出来る訳も無かった
所詮どうでもいいこと
自分の存続の為に誰かが犠牲になってようが守る価値も無い
見向きもする価値すらも無い
大事にする価値さえも無い
そう安易に、あって当たり前だと示し続けるばかりで…
皆は、原初の始祖神のその涙も見ず、痛みにも寄り添わず、
原初の始祖神は、いつでも放棄出来るのにしようともせず、
誰の為?
そんなの決まってるじゃないか――
僕達(全て)の為に外ならない―――
だから怒っているんじゃないか…だから泣いているんじゃないか……だから…――痛いんじゃないか
放棄すれば今までの全てが無駄になってしまう
そうさせない為に、踏ん張っているんじゃないか
だから貴いんじゃないか――
だから守りたいんじゃないか!!
そう願うことの何がいけないと言うんだ!!!!(ぶわっ!!!!)←闇が噴出する
大丈夫――全部、わかってる
大丈夫だから^^
刹那、光と共にケイトが僕の肩に手を置いて優しく諭した