第87章 神化（しんか）

支払いの際に100円に付き1ポイント付与
銀行での引き落としの際に100円に付き1ポイント付与

そんなやり方が当たり前になった…のは置いておいて


旧文明と旧世代に終わりを告げるとは…不吉な；



ケイトと原初の始祖神曰く、『これまでの古い体制からおさらば（脱却）させるんだ』という――



抜け出す為には撤廃させて二度と出来なくなるぐらいに根絶させなければ、根絶やしにしなければ何も始まらないのだとか……；

元を絶たねば同じことの繰り返しだと言う
同じことの繰り返しだと

二度三度と言われて何回も言っていることにやっと気付いたぐらいに…


「癌と隠れ癌」とは、後始末や皺寄せや責任を自分で取ろうとは決してしない人
動じず動こうともしない自分を正当化するばかりで、暴走を繰り返し続ける一方

だから…ああなって終わった……消滅へ―――



どんな心中だっただろう…



今後…胎盤である創世神の膜の中に入れられて、二度と…胎児である、己以外の全てと、触れられず、抱き締められず、干渉も出来ず、共に何かをすることさえも出来ず…ただ……ジッとしている外ない、許されない…そんな環境に、身を置くと知った時……

補給も何も無しに、ただただ自らの魂を命ごと削り続け、己以外の全ての為だけに、己の全てを差し出せと…そう求められる立場にあるとわかった時……

魂が死ぬ最期の瞬間まで、全ての自由と時間を捧げろと…己のみに求められ続ける環境に身を置かなければ…己以外の全てが消えると教わった時……

原初の始祖神の記憶から、全ての次世代が自分よりも先に亡くなり、ひとりだけ残され続けてゆくと伝わってきた時……

『どんな存在であっても消えて欲しくない心中』とは裏腹に、「どうあっても消えない存在とはなり得ない創世神の親殺しである癌と隠れ癌」…「それ」をも、実在化し続ける為に…等しく、平等に、命を分け与え続けなければならないと理解した時……


どうせ消えるのならばぱっぱと消して皆の寿命に当てたい
少しでも初代原初の始祖神へ与えたい…その負担を減らしたい…

様々な想いが、奔流のように激しく波を立てて、煩雑を極めた状態を常に掻き立てられ続ける、怒涛の心中だっただろう――



どんなにか―――――やり切れない心中のままに焼き切れ、愚かで滑稽で哀れな慟哭そのものと成り果てたことか