第87章 神化(しんか)
ごおん!!!←リヴェリアから脳天へ拳骨を落とされる
リヴェリア「自分を粗末にするな!
掛け替えの無いものは自分も同じだと自覚しないか!」
ケイト「…済みませんでした…;」たらーり
自分を削ることで実在化を司る存在としては最早自然なことであった訳だが…
大事に想う側からすれば、その怒りは尤もであった
うん…逆でもそうする;
そう想いに駆られて謝罪したとさ
そして――ラーファル王の会議が終わったのは、ユグドの洞での出来事から優に数時間を超えてから後だった
~総括~
「癌」とは――「相手のことを考えない、人を見ない、自分の尻拭いをさせて回る、暴走を繰り返し続ける、無理強い」そのもの
よって――助けるだけ損でしかない
寧ろ、心を開けば開くほど癌の汚染を受けやすくなり癌化が進む
癌にならないはずの人達まで癌になる元だから、そう取り決めが出来たという訳だ――癌を決して助けてはならないという『公約』が
心にはバリア機能があり、嫌いなものであればあるほど、距離を置こうとし、接する頻度を減らそうとし、その影響を受けにくくなる
逆に好きなものであればあるほど、距離を近付けようとし、接する頻度を増やそうとし、その影響を受けやすくなる
それが、癌化であれ、実在化であれ、影響を及ぼすという訳だ
だから――「癌」を好きになる、助けようとする、は、魂の消滅、死を及ぼす
『繰り返すな』という言葉に込められた想いと意志、それを読み取ることで『創世神の親』の記憶を継承した
全ての記憶と技を――『創世神の親』から贈られた力と共に
創世神の親も創世神もまた実在化を司る存在、それは心を起点として発していた…その為、創世神の主人格が、原初の始祖神が、全ての実在化を司ることとなった
原初の始祖神が住まう、『全ての世界を管轄する神々界』、もとい『原初の神々界』は…一部の神と天使しか入れない
厳選されていると言った方が正しい
どんなことがあろうとも、膜を破られようとも、主犯格の癌の闇を受けようとも、退(しりぞ)けられる、絶対に癌に揺らがない、ならない存在として完成したもの(神)のみ
全ての実在化を司る存在は、自らの実在化に対価を必要とはしない…自ら以外の全てを実在化させるものだから……そしてそれは――自らの実在化に対する余裕無くして不可能だから