第87章 神化(しんか)
神々だけじゃない…
魂も死に、輪廻し、転生する
その一つ一つが、全てが、この世界を形作り、積み上げて、『今』がある
共同作業でここまで来た
だからこそ…誰もが消えないようにしている
だから…誰もが、全てが、大事なんだ
だから――寿命を、命を、削って分け与え続けている…自らのみの自由を、時間を、全てを、犠牲にして
もし…魂が、真に望めば……拒否することは叶う
だが…それは全ての寿命を無くすこと、送らないこと、全ての実在化の解除を意味する
在り続けていること、それすなわち…送り続けていることへの証明である
だから…全ての恩人でもある……全てへ命を与え続けている存在だから
命をいくら与え続けたとしても、魂自身にも耐用年数があり老化と呼んでいる
そればかりは本人の中身上の寿命なので仕方ないという訳で、また転生して生まれ変わってくる
それが周期、魂の個人差による生存出来る年数だ
中身がどれだけ持つか、と言う話なのだが…置いておこう
いずれにせよ――自らの魂を削るという行為を経て、魂ごと寿命を削り取った上で分け与え続けている現状は変わらない
その為…原初の始祖神を軽んじたり蔑ろにするものは、恩に対しての仇返し以外何もしていない、逆に害を加え続けてきていると判別される為…消滅の対象「癌」となる
殊更…原初の始祖神を癌扱いすれば尚更だ
正確に言うと…その行為が、過ちを自らの非と認めない罪が、罰となり、呪いとなり、身に宿り、還るのだ――己が身(魂)へと
それが世の理(因果律、したことは還る)だから――――
人が癌にならないように頑張る必要なんて無い
人の在り方は、その人が決めるものだから
そんな結論に至った
恩人を蔑ろにする在り方を選んだ、その生き方を取ると決めた、実行に移し続けた本人の責任なのだから
己の『全ての自由と時間』を対価に、己を除く全てに『自由と時間』を与える
対価として支払ったものは二度と戻っては来ない、絶対に
どんなことをしたとしても…
自分で決めたことだから、やる(真剣)
好きだから(微笑)
戻ってきて欲しいから送ってる訳じゃないんだ
気にすんな
そうだなあ…
求めてもいいなら、幸せで、少しでも長生きしてくれ…それだけでいい(微笑)
頼むよ――←目を細め苦しそうに笑う