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Unlimited【ダンまち】

第86章 紡ぎ





拳を握り締める力を強めながら、真剣な表情で睨視して叫ぶ


ケイト「お前なんかに言われなくてもわかってる!
全員から大事に思われたいだなんて思わない!!!
そんなこと望んでない!!!!

痛みが…苦しみが…悲しみが…少しでも、減ることだけだ!
幸せが…少しでも増えて欲しいだけだ!!!
皆の!!!俺よりも…そっちのが、大事なんだよ!!!
なんの為に犠牲になることを選んだと思ってるんだよ!!!
とっくの昔に百も承知でここにいるんだよ!
いるんだよ――」ぼろぼろ

瞑目し、項垂れ、肩を落とし、震え、咽び泣くケイト
その傍らで、闇は静かに、かしずいた


『それを忘れるな――
死ばかりを望むな
哀れな愛しき子よ――
代わってやれるのならば代わりたい
だが出来ん
我を怨めよ』
ケイト「やだ!(真剣睨視)

やだよ…」ぽとっ


『甘えられる環境は勝手を招く
癌の成長を促す…

お前の『助けたいと願う意思、心』は悪くない
「『それ』を利用するもの」こそが悪いのだ
それを忘れるな――』

ケイト「……はい!!」

過度に甘え利用する行為、それが‥悪なのだと


その折…
暗転とした意識の外(肉体側)では……


原初の始祖神「済まない…
はち切れてしまったか

こいつは死を望んでしまっている


自らの、肉体の、死を…

それは…この世の消滅を意味する
だから…私に代われだと


……膜の中に閉じ込められ、全ての自由を奪われ、全ての実在化を齎し続ける、そんな私への…恩返しなのだと


そんなお返し等…望んではおらぬというのに
な(ぽつり瞑目)

始祖神よ――



随分と酷なことをしてしまったな…



お前達との先等要らないだと
未来等要らない
どうせ消える

だから…自分を消してくれと


自我を無くしたとして、どうせ生贄として、全ての実在化をさせられるに過ぎない
こんな自我、あっても無駄だし
無い方がよっぽどいい
お前達にとっても都合がいいだろう


それがケイトの答えだ」

フィン「何を…言っている?(わなわな)
そんなことを言う訳が無いだろう!!?」
原初の始祖神「お前がこの子の心の内の何を知っている?」
『!!?』

原初の始祖神「…‥…

本当は…この世にはいたくない
最初に抱いた夢が…自らの死であることも
この子の願いを、真に理解し知っているのか?」


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