第86章 紡ぎ
ラーファル王「お待ち下さい!!」
世界神『?』
ラーファル王「我々の先祖が過ちを犯したことは理解しました
ですが…我々は……五千年も」
世界神『ああ…よく従事し続けてくれた
しかし…世界樹の実を与えることは出来ない
だが…出来ることはある』
ラーファル王「!
それは…どのような」
世界神『世界樹の挿し木をやる
この土地は、まだ汚染されている
浄化された方だが、外と同程度でしかない
ここまで浄化させたこと、癌が生まれないように頑張り続けてきてくれたことへの褒美だ
再生してみせよ――』
ラーファル王「はっ!
有難き幸せ」その場に跪き深々お辞儀
世界神『ではな――我が後継…我が母よ――』
リヴェリアを見、ケイトを見てから、光のみが去った
世界神『結果に応じて実を宿すこともあろう
だが…強過ぎる力は毒となる
毒はないものを与えることになろう…』
ケイト「欲の暴走、か」
リヴェリア「ああ
過ぎた力を持てば災いを生む
その源となり得る
そう言っている」
リヴェリアの手元で光る、編み込み模様の神字を前に…
リヴェリア「……←顎に手を当てて考え込む
そうか…←顎から手を離し、呟く
癌の生まれない環境にする為に、か」
ケイト「ああ、その段取りなのだと言っている」
リヴェリア「なるほどな」
そう納得し合う中
左手の人差し指の根本に光が纏わり付き、指輪となって宿った
リヴェリア「せめてもの詫びと礼だと
私用に巻き込んでしまって済まないと言っている」
ケイト「気にするな、と返しておいてくれ
あれ、外れない;」ぐぐぐぐぐ
『一生外さんぞ♪』
と言っていた
ケイト「ぶふぅっ!!
誰だおい!!;
リヴェリア「世界神だ」どどん!!←見開き丸々
わかっとるわ!!
どこの霊体でそんなふざけた声出してんだって言ってんだよおおお!;」ぐぐぐぐ
まだ諦めきれずに引っ張って外そうとしているケイトに…
リヴェリア「世界神だ!!」どどん!!←見開き丸々
ケイト「もうええ(⤴)わあい(⤴)!!!」
矢印は発音方向
引っ張った体制のまま叫んだ後、肩を落として深呼吸してから諦めたように手を離した
指の手の甲部分のみ幅4mmの編み込み模様で、それ以外は幅3mmのリングだった
世界樹の木が内部にあり、世界樹が作った合金でコーティングされている