第15章 人造迷宮
フィン「っっ!!?」
レヴィス「また会ったな、小人族」
危険を察知する『勘』とも言える親指、それを持つフィンでも予測できない事態がある。
知覚できようとも指示が間に合わない、肉体が追いつかない、個人と集団の処理能力を超えた『異常事態』――
何度それで『深層』の遠征中、部下を失ったことか。
その脅威の前兆が今、絶対零度の悪寒となって襲い掛かった。
左――
ケイト「ん?左?」きょろ
右側を警戒しながら進んでいく中、精霊の声が聞こえた。
そしてそちらへ目を向けた次の瞬間、モンスターが山ほど襲ってきた。
ケイト「げっ!?;
左から敵多数!迎撃用意!!」
ティオナ「うげっ!;反対側!?」だんっ!←馬車の上に乗る
ティオネ「こっちはいいからあんたは馬車を護る!!」
ティオナ「OK!」
馬車の上からティオナは攻撃をし、馬車に近付く敵を次々にラウル達と協力して屠っていく中
フィンだけは別のものと戦っていた。
!?
たった3回の攻撃…それだけでフィンの体勢が死んだ。
あのままでは次の攻撃はかわしようがない。
でも体勢を崩すほどの攻撃だったということは、オッタル並の力ということ。
つまり…結界のそれは、それほど役に立たない!!
そう考えた矢先、飛び出すようにフィンのもとへ走っていこうとした。
レヴィス「18階層での借りを返しておくぞ」
フィン(『魔法(ヘル・フィネガス)』を使わなければ負ける!)
が、それをさせまいと私へ向けてモンスターの大群が襲い掛かる。
先程倒した時に魔石の場所は覚えた。
魔石結界で一瞬で全て倒した直後には…フィンの眼前へ漆黒の大剣の刃が迫っていた。
間に合え!!
即座に結界を作った、が、即席のそれでは脆く、徐々に壊されていく。
その間にフィンが槍を構えて受け止めようとするが、槍に張られた結界もあって僅かな抵抗の後に壊される。
時間にして僅か数秒の変化。
その瞬間、姉の姿がフィンと重なった。
あの時と同じ状況、生死の分かれ目、その瞬間に圧倒的な危機感が自らを襲った。