第15章 人造迷宮
ヴァレッタ「~~~~~!!!
好きなだけ笑ってろ!
フィン、あ~…英雄!てめーらは私が必ず殺す!!今日ここで!」
ケイト「お待ちしてます!!」
『ぶふーっ!!!』
ヴァレッタ「てめーは口挟むんじゃねえ!」
ケイト「あ、間違えた。お断りします!!」
ヴァレッタ「だから挟むなあああああ!!!!;」
フィン「ぷっ…ふふっ。
随分と気が長かったね?
そんなに僕のことが気になっていたなら、今日じゃなくてもいくらでも機会はあっただろう?」
笑いを噛み殺しながら見つめ直した頃
時を同じくして周囲もまた笑いから解放、復活し始めた。
ヴァレッタ「ばぁ~か!!私は待ってたんだよ!
てめーらがここに!私達の城にのこのこやって来るのをな!!
ここがてめーらの墓標だ!この『クノッソス』に呑まれて死ね!!」
――『クノッソス』?
それがこの名称かと眉を上げた直後、ヴァレッタは球体を持った右腕を突き出す。
その球体は赤く、精製金属で覆われており、内部には『D』という記号が刻まれていた。
魔道具らしきその球体が赤く輝いた瞬間、背後に扉が落ちてきて閉まった。
ラウル「退路を断たれたっす!」
ガレス「!跳b
ヴァレッタ「遅い!!」
背後に降ろされた扉に気を取られた直後、足元にあったオリハルコンの扉が消えた。
いや、開かれたと言った方が正しいだろう。
ケイト『足元のはおかしくないかな?』うろうろ←498ページ参照
あの時から、気を付けておくべきだった。
足場が揃って無くなり落下していく瞬間、一抹の考えがよぎったが、時既に遅し。
アダマンタイトの壁では武器を突き立てて静止など不可。
落下以外許されはしない。
そこまで考えが進んだ直後、僕達の身体は揃って落下を始めた。
「うっ」
『うわあああああ!!』
ケイト「浮遊、魔操作」ぴたっ
ヴァレッタ「は?」
ケイト「クリエイト・壁」ぽおっ
一瞬でケイトが僕達を空中で制止させた上で浮かせた直後
間髪入れずに無くなった扉の場所に、クリエイトで壁を作ってそれを足場として固定してから下ろされた。
驚きを隠せないのも無理はない。
そういえば朝に魔力を通して魔操作と浮遊を行使してアイズを飛ばしていたね。←441ページ参照
されるその瞬間まで、忘れていた。