第85章 エラー
精霊達は皆知っていた…
神の分身という神聖な種族
つまり…ケイトのお仲間さんだったからこそ…
精霊たちは口々に言った
御神体(ごしんたい)であり神子(みこ)であり神様なんだよね
その自覚を欠かせることで濫用を防いだらしいけれど…
心を壊したかな…人間が
人類の滅亡を、結末を、選ばさせる為に遣わされた使徒
人間に似せた疑似餌
神に何をするか見定める為に、神の力を封じ、実在化のみとし、人類に選ばせることにした
その末路を
破滅か――滅亡か
罪悪感を感じてやめるかやめないか
次期始祖神が産まれてくれた
だから…実在化の力が4倍となり、癌になる可能性が4分の1となった
癌になる可能性100%の人を、25%にまで次期始祖神様が引き下げてくれた
それなのに人間は笑って食い物にする
そんな犠牲、あってもなくてもどうだっていいって
死んだらいいんだって、簡単に言う、簡単に笑う
僕達…邪悪な人間は嫌い
謙虚な人で頑張り屋さんが好き
応援したくなるんだよね
で、絶対利用としてこないし
否定しないし
大事にしようとしてくれるし
そういうのが大事なんだけれどね
『ね~♪』
ケイト様は絆創膏
治りを早くしてくれる
光そのものだから
消毒と浄化を一手に賄ってくれている
だから4倍になっちゃうの
凄いの
癌が悪いの!
治りを遅くするから!もっと酷く化膿させちゃうの!
魂の膜は光なの
光を闇に変えるのが癌なの
光って言うのはね~、優しさとかあったかいのとかそういった想いなの
それを食い物にするのが、闇に変えるって言うの
だから自己中心的って言うの
人の心に寄り添ったり聞こうとしたり全然しないの
凄いでしょ!
あんまりな悪過ぎ人!
そんなだから魂が破れちゃうの
それで完成した闇はね、他の人の光をも闇に変えちゃうの
だから他の人の膜だってお手の物!
あっという間に膜を食い破って殺しちゃうんだって
大慌てな大変なことになっちゃう
みんないってるよ~
で、神様は…それを防ぐ為に産まれて来たんだって
ケイト様ね、次期始祖神様
僕達のお母さん
ケイト「まだなってないよ;」
『なってるもん!!』ふんすっ!!
力送ってくれてるじゃない!!実在化!!
ケイト「あ、はい…;
そっか」
それを癌だなんて言ったら僕達ぐれちゃうよ
『そうだそうだ~!』