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Unlimited【ダンまち】

第85章 エラー





ケイト「神によって、龍神様の手によって、私はこの世に生まれてきた
処女受胎であること、性行為無しに孕んだこと、何度も何度もお母さんは教えてくれた、伝えてくれた

事実…父にもその覚えは無かった
だが、父の遺伝病が引き継がれていた
だから…そうなるようにワザと龍神様がしてくれたのだと知っていた、わかっていた

ただ…神として完成した後に産まれて来たことはわかってはいても、どういった役割かまではわかってはいなかった


でも…今は……今だから…はっきりとわかる

私は…
原初の始祖神の子で、次期原初の始祖神で…
この世に遣わされた存在だ

神様達の手によって!」

ラファエル「自覚を持って動きなさい」

ケイト「何を…何の…自覚を……」ぐっ

ラファエル「その気持ちは…私達も同じ」
ケイト「!」瞠目

ラファエル「守りたい想いは…同じ
だから…大事にしたい
あなたを…

大切だから…何よりも
何よりも守りたい
守らなければ

全てがついえてしまうから」

微笑し、淡々とした返しをするラファエルに…ケイトは驚きを隠せなかった


ケイト「つい…える……って」愕然

ラファエル「知っていたことでしょう…?
あなたが来なければ、この世界は死んでいた

消えていたのですよ…

元から無かったかのように


あなたがそれ(消滅)を食い止めた

いえ…
あなたは…その為の楔(くさび)

世界の鍵」
ケイト「え」


ラファエル「あなたが消えれば全てが消える

消滅という裁きを与えられるはずだった世界
それを繋ぎ止め紡ぎ合わせたのがあなたです

……けれど…繋ぎ合わせたものは脆い」


ケイト「……」震

ラファエル「馴染みが遅い、世界への…
それを滞らせているのが癌なのです

縫合したものを、その治りを、遅らせてしまう
内から腐らせることによって」


ケイト「つまり…」

ラファエル「この世界は既に…内から食い荒らされている、癌の手によって
あなたはそれを繋ぎ止めただけ

生まれただけで、生きているだけで…それが維持されている

それを暴虐しようものなら…もうお分かりですね?
滅びを自ら早めているのだと」

つまり癌によるダメージで世界が崩壊寸前
ケイトを「癌がいるこの世」に送り込むことで辛うじて崩壊が止まったと

絆創膏のような一時的なものに過ぎない、だが治りは進む


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