第84章 竜の巣
ケイトには…もうひとつ名がある
神様から直々に賜ったと言っていた、ケイトのお母さんが教えてくれた名が
もうひとつの名は…顯子(あきこ)
顕現のけんに、子供のこと書いて、顯子…
次期原初の始祖神である、原初の始祖神の『子』が、この世に、世界に『顕』われる礎となる…
意思がいつまでも反映されない生贄…
そう取れなくもない
それが無ければ…消滅するから
生贄となるのは……原初の神々界に入って……全ての実在化の、大本を司っている膜の内側に入ってからだが…
意思なんて…あってないようなもんだ……
『どんな存在であったとしても、消えて欲しくない』…その想いを、贄にされ続けているんだから
そういった人でも無ければ…絶対に…受け入れてはくれない、中に入れても貰えないのだから…
『創世神の膜』は、全ての魂の膜でもあると同時に…『原初の始祖神』を創世神として認めて、それ以外を拒絶する
まあ創世神の主人格だからってのもあってなんだけどね、原初の神々の中でも始祖神が……
皆、各々別の役割がある…ただ…ケイトの役割がこれだというだけに過ぎない
ケイト『自分は少しでも役に立ててるんだろうか、って気になったりはするけどね…
実は…よく、わからないんだ
曖昧でさ、そこら辺が』
昔に聞いた内容が頭に浮かぶ…
ケイト『1世代に1人だけ
そう定められている
喧嘩してしまうから
そう定められてるんだって
最初に決められた理で、ルールで…そうなってるんだよ、そういうものとして』
「自分の感情、欲望任せに全てを歪める業(ごう)そのもの(人を見ない無理強いそのもの)」――これは悪だ
そう思念伝達すると…
ケイト『それを悪ではないと、歪めてはならない部分まで歪めるから、癌になるんだって
全てを歪める
人を見ないから避けられないこと
でもみんなてんやわんやで、自分の感情しか見えなくなることはままあるらしい
一番近いのが大きいのがそれだから
『周りや人を見ること』、そこを怠らなければ大丈夫と言われてる
みんな、ある
歪めたことがない人なんていない、みんな綱渡り
要はバランスや修正できるか
試されてるんだよね
堕落しないか
反省して次に生かせればいいんだけどね
人それぞれみんなあるんだからさ
みんな大事にし合えたらそれが一番いいのにね』