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Unlimited【ダンまち】

第84章 竜の巣





人の本質は変わらない…
どの世界であったとしても……

そこが垣間見えた……


「癌」であれ、誰であれ…『人としての本質』までは揺るがない――決して

そこが、はっきりとわかった



こくこくこくこくパチパチパチパチ!!!!

原初の神々が激しく同意を示し拍手し頷き、中には微笑むものまでいる中…
ケイトの表情を覗き見ると…凄く痛々しい、痛みを必死に堪えるような表情をしていた


フィン「……(痛切な痛みに顔を歪め)
っ」歯噛みする

………ケイト

絞り出すような声で、ぽつりと声を掛けた


ケイト「…
?」顔を上げる

フィン「……頼む…生きてくれ」
ケイト「へ?」

吐露した想いに、疑問を浮かべられる


フィン「…もっと…自分を見て、大事にしてくれ……
君は…自分への寄り添いが圧倒的に足りていない…

見ていて…痛いんだ……


君が…君以外ばかりを見ていて、そればかりで…肝心の君を全く見ていない…
君の長所でもある…そこはわかっている…

そこまで大事に出来る人というのはそうはいない…そこに救われている人も非常に多い……
実際に…それで助けられた人の方が圧倒的に多い…
(癌の場合はそれで犠牲にされて死んだ人の方が圧倒的に多い。そういった面で言えば対照的だが)

もっと自信を持って…自分のことを、僕達にぶつけてくれ…苦手なら助けるから……

何でも言ってくれ…ちゃんと聞くから、一緒に考えるから……


―――頼むよ」縋るような、泣きそうな目で、ケイトの双眸を見る

ケイト「!…
(涙目)

…‥‥愛してる…
ずっと…愛してる」涙震え

フィン「他には?」頬に手を当て、優しく撫でる
ケイト「どんな世界でも…どんな、人でも…何…してたって、大好きだよ…
皆、大事だし、大事にしたいんだよおおおお;;
なのに…感情が、滅茶苦茶で、あっちこっち、行って、散らかって;整理、追い付かなくって;どうしたらいいか、正直、わかんなくって;」ぼろぼろ

フィン「ふふっ^^
本当…君は、人ばっかりだな」くすくす

無自覚型の癌は卑怯にも…人ばっかり大事にしている風に見せかけて、実は人を蔑ろにしてばかりいる
他者に対して犠牲になるよう強要し、平気な面をして英雄を騙り、嘯く…自覚がない分、余計厄介だ

ケイトが癌とは真逆でよかった――痛切に想うばかりだった(ほっ微笑安堵)


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