第84章 竜の巣
アスフィまで巻き込まれながら、胴上げをする皆…
宿屋の店先、真向かいに位置する店で軽食を食べていた折、
地竜の神輿と祭囃子の中で、盛り上がりに上がった結果のことだ←4854ページ参照
荒廃が進むばかりだったのに、ここまでに変わった
新たな希望を与えてくれた!
『竜生街』の立役者となる【神王】を胴上げせずして何とする!!←4853ページ参照
とばかりに…熱狂冷めやらぬ様子で…
ちゃんと結界でフィンが守ってくれた、お腹に衝撃が行かないように、と
周りも周りで、ちゃんと気遣ってくれていた…お腹を揺らさないように、衝撃を与えないように、体も揺らさないようにして…逆にどうやっているのかもわからないが…水竜と地竜と飛竜が魔法を各々使って実現していたらしい。そう指示していたとか……
よかった…(微笑)
安堵のあまり、そう笑みを浮かべると
皆も沸き立つように、満面の笑みを浮かべて、思いっ切り全力で地竜の神輿ごと暴れ回っていた
最早暴れ狂うと言った方が正しいのではないだろうか、というぐらいに…;
かくして――モンスターの時代は終わりを告げた
人を、世界を、下界を、荒廃を進めてきた竜は滅んだ
下界の戦力では対処不能の強さを持つ個体も存在したかの地、竜の谷は、【神王】の手によって攻略された
遺された個体は…3000年よりも遥か昔、5000年前に存命し、大昔に滅ぼされた、人との共存を望む魔族である竜種のみ!
手と手を取り合い、共に時を、絆を結び合い、共に生き、支え合う時代が築き上げられた!!
世はまさに、共生時代!!!
そう書き上げられていた
その言葉に銘打ち、竜生街に置いて避けてはならないものとして記され、後世に渡って遺され続けていくことになる…
後に…竜の谷中央に街を構えるかと思いきや、そうではなく…
そこは竜達の住む場所、人が住む場所はその周囲を取り囲むようにして位置づけよう、とされた…
と言うのも…少しでも、当時の状態を残して、当時の危機感を示したい。どれほど有難いことだったのか、どれほど大きなことだったのか、遺していきたい、伝えていきたい、とのことだ。
その意見に村々は皆同意し、その場で結託を結び書面に残し、その日の内にひとつの街として完成した
『竜生街』完成――と、歴史書にも、神国神話にもそうはっきりと遺された
