第84章 竜の巣
ケイト「人は…人間は…歪みしか生み出せないの?」
『え』
ケイト「…歪みの根源じゃん。生きている限りだけれど…
そりゃ誰の中にだってあるよ…つもりは。
でも…押し付けになっちゃいけないってだけでしょ?
それが…何でそこまでこんがらがるの?;歪みになるまで」
書記官「そりゃ自分しか見えないからね。生きてる間は。
そう造られてるし…」
拘束官「どうにもならねえんだよそればっかりは。
だから学びに繋がるんだろうが、本人だけの」
審査官「それが無いと学びにならないんだよね。
人それぞれの。学ばないといけないものに合った形の」
書記官「そうそう」
真偽官「要は持ちつ持たれつね。
癌はその際限を弁えず度を越した。反省しないにも限度あるよ」
書記官「そう」
『ほんとそれ』うんうん
ケイト「なるほど…」
原初の始祖神「要は避けられないのよ。
でも…だからと言って、穢れた存在だと認知するのはまだ早い。
一概には言えないから…そりゃ穢れた存在もいるけれど、そうでない存在もいる。一枚岩ではないから…歪みも正しさも表裏一体、紙一重」
ケイト「…人間消す?」
『それはまだ早い』
ケイト「……そっか…よかった(ほっ微笑)
もしそうなったらどうしようかと…」
審査官「全部が歪みになったら消すけど」
『シー!!;』
ケイト「………
…いつかは消さないとだよね」真剣
原初の始祖神「そうね。時は来るわ――必ず」真剣
ケイト「……恐竜の時もそうだったもんね」
書記官「あー…白亜紀ね」
拘束官「隕石衝突させて滅ぼした奴な」
審査官「あれ大変だったよねえ」
真偽官「無理難題に近かったね」頷
審査官「でも消さないとでしょ?」
『うん』
拘束官「弱音は吐いてもいいんだよ…ぶつけろよちゃんと。
でも…ひとりで抱え込んで、死のうとするな。
死ぬつもりは更々ねえんだろうけれどもよ…痛いってことは、わかっておけ」
お前を大事に想う人にとっては…
と声が聞こえた気がした
ケイト「気を付ける(真剣頷)
…ありがとう、教えてくれて」微笑
拘束官「おお」ぽんぽんっ
書記官「一先ず…落ち着いた?」
ケイト「うん!←微笑し大きく頷く
皆…
私の為に駆け付けてくれて、本当にありがとう」深々お辞儀
『おう/気にするなって/うん!』
原初の始祖神「よかった」ほっ微笑