第14章 遠征
ケイト「その…フィン、ごめんね」
フィン「?どうした?」
ケイト「えっと…自分が小人族だって今一信じられなくって、魔法で調べちゃったんだ^^;
小人族以外とは子ができないって、魔法で調べた結果わかってね。
自分の目で確かめないと、どうにも実感もわかないから…つい……;
それがちょっと、なんかフィンのこと信じてないみたいで嫌だったから…ちゃんと謝らせて。
ごめんなさい」ぺこり
フィン「くす)そのことか…
確かにいきなり今日他種族だと言われれば動揺もするし、それまでのものが覆される。
そう容易くは受け入れられないだろう。確証がないとね。
僕自身もそれをアミッドから聞かされた時は半信半疑だった。
君がそれだけ調べるのも頷ける。
それよりも、ちゃんと自分で確かめようとしてくれたことが有難くすら感じるよ」くす
ケイト「え?何で?」
フィン「何でも鵜呑みにして信じる人なら、間違いだと気付かないまま進みかねない。
ちゃんと自分で考えて、その上で受け入れようとする。
そちらの方が僕としては安心できる。
僕でも間違うことはあるんだから、「それをした場合にはすぐ止めてくれそうだ」ともね^^
だから君が罪悪感を感じる必要はない。
寧ろ、確証が欲しいのは僕もまた同じだったんだ。
だから言わせてくれ。ありがとう」ぎゅっ
私の両目を真っ直ぐに見つめて微笑み、私の左手を右手で握り締めた。
そうして紡がれた言葉、「ありがとう」が心へ深く沁み入っていくのを感じた。
そう捉えてくれたことが嬉しくて、在り方を認めて受け入れてくれたことが…とても喜ばしくって。
ケイト「こちらこそ…ありがとう^^//
大好きだよ//」
最後の言葉は思わず恥ずかしさからか、声が小さくなってしまった。
それでも本人にはちゃんと聞こえていたようで、「僕もだよ//」と短く言葉を返してくれた。
そうして互いにその両目を見つめ合ったまま、満面の笑みを同時に浮かべ合う中
未だ握られたままのフィンの手によって私は静かに抱き寄せられ、その両の腕の中へと閉じ込められた。
時間にして数分、されど自分の中では長い至福の時間を共にしたようにも感じた。