第84章 竜の巣
恐らく…竜の谷は、隻眼の黒竜が作ったのだろう
あの渓谷は、竜からすれば非常に住み良い
竜の楽園として、移り住んでから数々の竜を産み出していったのであれば…あれにも説明がつく…
途方も無いポテンシャルを秘めた無数の竜が待っていることだろう…
Lv.9もLv.8も造作なく殺し尽くせる、かのアルバートも一方的に蹂躙、瞬殺するほどの……
隻眼の黒竜は、無論その比ではなかった
だが…800年も飲まず食わず眠らさずで封印されていれば、まあ弱体化もするか;
ケイトの目覚めたホワイト・ノヴァも、言わば神の力だし…
Lv.5程度になった黒竜を2日掛けて打ち破り、次々と功績を残したことでLv.5になったと……←96ページ参照
まあこれも今となっては昔のことだ、今回の件とは関係ないことだし…置いておくとしよう;
学区の結界は、そういった精霊の奇跡を用いて作られたものではないから…弱体化の付与もない
互いに食い合って強化種となり、子孫を増やし続けるだけでなく、無数に繰り返し続けているのだとすれば…
1000年以上繰り返し続けていれば、ポテンシャルがLv.7を優に超えるのは想像に容易い
実際にオッタルも番人を一度担当したこともあるそうだが…
『竜の谷に生息する怪物はLv.7であっても討ち漏らしが発生するほど数が多く、下界の総力を以てしても対処不能の強さを持つ個体も存在する』といった私見が挙げられている
だが…今となっては……Lv.∞に至った訳だし…神国に属するものは皆、そういった実力を持たなければ防衛隊にも入れない訳だし……
ははは…どうなるかな?(遠い目)←考えないようにしている!!
テロップ『フィンは思考を放棄した!!』←めっちゃ楽しんで(入力して)る!!
フィン「…ケイト、依頼が入ったが…聞くかい?」
ケイト「うん!」こく!しゅば!!
一瞬で駆け付けるケイトに…僕は苦笑した
本当に…君は、周りの人のことばっかり気(大事)にして、自分には無頓着だなぁ^^;
そんな想いをよそに、早く!早く!と急かすケイト…
それに周囲の皆も笑っていた
どんな無理難題なんだ?とでも言わんがばかりの表情で……
ちょうど道中だったのもあって、軽く寄っていくことになった
竜の谷は宿の近くだし、宿を護衛するという条件で宿泊予約が取れたそうだし…