第3章 家族として
フィン「一人で自己完結して突っ走って…それは、僕らに迷惑をかけたくなかったからなんだろう?」
ケイト「こっくり)…だって…傷付く、可能性があったから。それを少なく済ませたくって」
フィン「そりゃ傷はない方がいいだろう。
でも僕らは冒険者だ。傷付かないことなんてないに等しい。戦う限り、その可能性からは逃げられない。
既に傷付く覚悟は決まっている。それでも戦いに臨む。それが冒険者だ。
仲間の為なら…そう思う気持ちもわかるだろう?」
ケイト「…」こっくり&涙目
フィン「悪気もないことは知っている。見ていればわかる。
素直で、真っ直ぐ過ぎるからこその暴走だってこともね(肩すくめ苦笑する)
だからこそ、覚えておいて欲しい。
一人で抱え込んで突っ走る前に、僕達に相談することを」
ケイトには真っ直ぐ、率直に伝えた方が効果的だ。
ただでさえちゃんと聴く方だから、聴いてくれるだろう。
ケイト「…でも」
フィン「失いたくないからこそ迷惑をかけたくないかもしれない。
でも、何も言われずに置いてかれたら…信頼されなかったのかと思われかねない」
ケイト「!そんなこと」
フィン「そのつもりがないのなら、覚えておいて。
そして…今後の行動で示して欲しい」
ケイト「!はい!!」頷&真剣
やっぱりだ(にや)
ちゃんと、真っ直ぐに向かい合ってくれる。
フィン「幸い、全部倒されたのは僕達が着いた後だ。
『ケイト・グレイロアは僕達と一緒にホームから出立した。
3日かけて着いてからすぐ、腕試しも兼ねて彼女に魔法を行使するよう命じた。
有効範囲は街全体、力加減は全力で。
魔法の実力も知らず出自がここであったからこそ、最初の攻撃を許可した。
その結果、クリエイトで生み出した光魔法を行使したことでモンスターは階層主ごと全滅。
魔石とドロップアイテムのみ残した。
その光を受けた人は魂がまだ宿っている者だけ蘇生され、全ての人が全快状態になり、建物もまた全て壊される前の状態に戻った』」
ケイト「はっ!)…え?」
よし。
ちゃんと僕の意図に気付いたみたいだね(ふっ)