第83章 剪定
癌が居た証は…消えはしない
たとえ守っても、守らなくても、残り続ける
癌が全てを消す前に、神の力で消されるとしても…
それを忘れていた…
闇の部分は全て消されて、二度と同じ人格と魂は存在出来ないようにされたとしても…
ちゃんと、新たな形として生まれ変わって、生き続けることも…それが無駄にならないようにと願ったことも……
それに痛みを伴わないだろうか、苦しくは無いだろうか、消えるのは誰だって嫌だろうに…
と、そういった考えを押し付けていたようにも思う…
無理強いにも近い形だったかもしれない…
と
そうケイトは感じたのだと言う
リヴェリア「甘いことを言っているな…
消えたくないのは誰だってそうだろう
消える間際まで教えないと言うのは…」
ケイト「うん…俺も、そう思っていたよ…
だからせめてもの優しさとして、教えることを選択し続けてきた…
けど…考えを改めたんだ
それは…自分を守ることに繋がるのか、自分も皆も大事にすることに繋がっているのかって…
全部、大事にしたい、たとえそれが癌であったとしても…それが俺の想いで、本心だった。
でも…癌に対しては違った、いや…癌だけじゃない、通じない相手だっていくらだっている。
それに対して無理強いにならない範囲で、って意味合いだったんだ。
たとえ癌相手であれ、癌を見ない無理強いをしていては…癌と何ら変わらない。癌でも人だし…
だから…見ないようにして、距離を置く、それがベストだって思ったんだ…知らぬが仏って言葉通りにさ。
たとえどんなに助けたくても…無理強いだと言われればそれまでだ。助けようもない。助かりたいと動かない。そういった窮地だなんて思ってもいない、認識も出来ない人だから…」
リヴェリア「それを言って言ったら、危険も認識出来ない子供まで見殺しにすることになるぞ?;」顰めっ面
ケイト「あ…;」
フィン「ははは^^;
君の言いたいこともわかるよ…?
逆に殺そうとまでしてくる癌相手に、助けようだなんて選択肢は馬鹿げている。
だが…こうも考えられないかい?」
『?』
フィン「犠牲もつきものだって、さ」
ケイト「?それって…」
フィン「言葉通りに受け取らないでくれ」
リュー「ですが誰かが止めなければ暴走を繰り返し続けることに!」
フィン「それもありきで皆の学びだ、避けることの出来ない…ね」
