第83章 剪定
フィン「出てるじゃないか、答え」
ケイト「へ?」
フィン「癌も無駄にしたくないって」
ケイト「あー…
でも……
どうやって?;」お手上げ
フィン「ンー……
こればっかりは…
尊重した末の選択、その色を忘れないように、ぐらいかな?^^;(肩すくめ)
で、すぐにわかっておくようになると、話は変わってくるだろう?
前兆が分かれば、すぐ動けるようになるさ。
でも…無理だろうね……
不可抗力だと一点張りされるだけだろうし?^^;」
ケイト「そう分かりきってるから困ってるんだよ…
せめて消える最期の瞬間ぐらい、幸せで居て欲しいだけなんだけどね
怨念も、何もなく…痛みもなく、消えてくれたら」
フィン「うん、痛みもなく消えるよ?」
ケイト「え?」
フィン「マジで(頷く)
だからその辺りは気にしなくていい。
君の取り越し苦労だ」
ケイト「なあーんだ。心配して損した」
フィン「他には?」
ケイト「ううん…
最期の瞬間…
正当な怨みだと理解しろだなんて、無理強いでしかないもんね」
フィン「ああ…それこそ逆恨みされて暴走されて、本当に大変だったものね」遠い目で遠くを見やる
ケイト「うん…だからいいよ」微笑
フィン「うん?」
ケイト「それごと背負ってくんだ!(船の手すりに背を向け、肘を乗せてもたれ掛かって笑い掛ける)
俺は、癌とは違うから^^
生きていくよ…皆と一緒に――たとえ形が変わったとしても…ね
それが俺の道だから―」
フィン「……
そうか(ふっ)
君の中で答えが出たのなら…僕は何も言わないよ?」片目瞑り
ケイト「ありがとう^^」
すっ
そう言ってケイトは、船の手すりに向き直り、肘を乗せて、遠くの海を見つめる
その隣に歩み寄り、同じように遠くの海を見つめていると…
手すりに両手を乗せて、笑いながら彼女は言った
ケイト「……それでも俺は…愛し続けるんだろうな…
癌が在ったからこそ、この世界なんだろうから」遠い目微笑
フィン「ぷっ)
生憎、僕はそこまでは思えないなあ!
はっはっはっはっ!^^」
実に君らしい…そんな声なき笑い声が、響き渡った
ああ…そうか……確かに居るんだな、消えたとしても
僕の中にも、残っているんだろうか…
ふと、そんな気にさせられた
僕も…愛せるようになるんだろうか……君のように………全てを