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Unlimited【ダンまち】

第83章 剪定





リュー「騙された…

ですか」俯

フィン「浮かない顔だね…不服かい?」

リュー「いいえ…そんなことはっ

……ありません…」

アスフィ「気持ちはわからないでもありません…

事実…彼は、騙す気等なかったでしょう」
『!』

アスフィ「だからこそ、問題視しなければならないのでは?」

リュー「…ええ」

アスフィ「消えた今となっては…後悔しか残りません
ですが、反省して、次に活かすことは出来ます

無駄にしないこと、繰り返さないこと、同じ失敗を無くすこと
それこそが成長と言えるのではないでしょうか?」

うんうん

それに…皆は静かに頷いた


リュー「…少し…質問をしてもいいですか?」
アスフィ「はい」
リュー「ケイト」

ケイト「ん?」

リュー「………」

皆が押し黙る中…リューは、言葉を紡いだ


リュー「騙される方が悪いのでしょうか?

それとも
…騙す方が、悪いのでしょうか?」

ケイト「圧倒的に後者が悪い!」
リュー「それは!

それは……

たとえ…その気が、なかったとしても……
ですか?」

ケイト「……

だとしても…
罪は罪だ

決して――消えて無くなったりなんかは、してはくれない

たとえ―故意ではなかったのだとしても
生涯、死んだ後も残り続ける――それは罪だ」真剣

リュー「ありがとうございます――

消えて、なくならないのですね」

ケイト「ああ、無くならない
決してゼロにはならない

背負うものがいる限り、たとえ消えたとしても…そのものの中には残る」

『!』
リュー「…え?」

アスフィ「それは…どういう意味ですか?」首傾

ケイト「たとえ誰かが消えたとして…
その罪と向き合って、背負えた人がいるのならば
反省として、異なる形となって、学びとしてその人の中に残り続けることは出来る

罪として残すのではなく、学びとして昇華して活かす
それこそが…学びだよ
人として、生きていく上で避けては通れない
避けてはいけない、大事な道だ

だから――『生きる』と言うんだ


罪を蔑ろにして繰り返し続けることに、更なる罪が宿るから

消えるほどに重く伸し掛かるから
膨れ上がり続ける一方と、なってしまうから


罪を罪とせず、人のものと歪めて、学びを…贖罪を放棄する
それが堕落であり、消滅そのものと化す原点なんだ

全ての根源なんだよ」


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