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Unlimited【ダンまち】

第83章 剪定





侑子『中身が空っぽなのよ』

ケイト『え?』


侑子『癌は…根腐れ病、堕落そのもの
いえ、それ以前に…人ですらないわ』

ケイト『???;どういうこと?;』きょとん
意味が分からず、必死に考えながらも冷や汗混じりに困惑したように首を傾げる


侑子『ふふっ^^

そうね…
分かりやすく、簡単に言いましょうか…


つまり…どんなに学んだ所で、本人自身が変わる気が無い
だから…どんなに徳を積んだ所で、無駄となる
「背負わない」から、それだけの理由で――何をしたとしても

〖心〗にまで行き渡らない
『魂の心』にまで響かない

その「成長不全」こそが、「癌の象徴」であり、それが「前触れ」となる

それに幾多もの存在を、魂を巻き込んで、巻き添えにして、全てを土台から崩し、全てを滅ぼし、破壊し、消滅させる…それだけの存在よ


だから…ケイト……

あなたからすれば、耐え難い苦痛かもしれない
何度でも、助けたくなるかもしれない…

でもね…無駄なのよ、全てが…


「自分にとって」が全てだから
人の身にはならないから、見ないから
背負う気から無いから

背負っているつもりで、背負えてないから

だから…なるのよ
いくら言ったとしても響かない
頑丈に凝り固まったそれは、全てを通さない

だから消え行く定めなのよ……


2月9日

この日付だけは忘れないで
遠いあの日、あなたが選んだ日を――選択した時を

あなたは――記憶(と『力』)を対価にしたから、決して(私とのやり取りが)戻ることは無いでしょう
それでも…(これを書いている側の世界の)あなたが、(癌化から世界を)守ろうとして、『大事なもの(生きている間のみにおける神の力)』を、(3歳10か月20日の時に)差し出したことだけは忘れないで
本来ならば――あなたが持っていたはずの力を

あなたが――その世界毎の情報を得る力、そのきっかけとなった根源だということだけは』

ケイト『ずきんっ!!)←痛む頭を両手で押さえ瞑目し眉間に皺を寄せる

っ!!;(くらあっ!)←とても立っていられずよろける

…←収まり視線を侑子に戻す
あれ?;
一体、なんの…はなし?

癌の話、してたはずなのに』

侑子『気にしないで^^(にっこり)
(やっぱり…無理なようね

でも…あなたは守るわ……
約束したもの


失う前のあなたと――』


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