第83章 剪定
微動だにしない殺された総帥を、周囲は念入りに慌ただしく確認していた。
その中で、ケイトは危険に晒したとばかりに、嘆息を零していた。
忠告されていたのに、折角先んじて色々と教えてもらっていたのに…
そう言って憚らないそれに、テラン国王は軽くデコピンした
ペチン!!
ケイト「いたっ!
!!?
!?;」
弾かれた額を両手で押さえ、動揺を露わにするケイトに、テラン国王は笑った
テラン国王「がっはっはっはっはっ!!^^
ワシ等の技術が神の力単体に打ち勝てた!そちらの朗報の方が嬉しいわい!
主等は確かに手も足も出んかった!だが不思議な力を持ってして打ち勝った!!
先に封じられていた時はどうなることかとヒヤヒヤしたが…
だが――
小狼「必ず助け出す!」
シャオラン「何があったとしても死なせない!」
小狼達「「お前達の好きにはさせない!!」」
あの時―王の術式は、お前(ケイト)をも認めた」
ケイト「!」はっ!瞠目←当時は気付かなかったが今言われてから気付いた
テラン国王「まるで、その心に同意するかのように、呼応するかのように――導かれて、幽閉の刺青以外の全ての術式を打ち破った
協力して破った時は流石だと思った…
最後の最後で、あんなことになるとは思わんかったがな」
ケイト「ああ…
あいつが居なかったら、私は殺されていた
かと言って何もしなければ俺は捕らえられたままだったろうし、この―(すっ)←術式を胸から出し左掌の上に浮かべる
『剪定の術式』も、私には宿らなかっただろう
全ての原動力、その源である、この力が――」
テラン国王「それもまた定めよ―お主を選んだのだ
剪定者である、その主軸であるお主をな!」
リヴェリア「知っているのか」驚
テラン国王「勿論だとも。
ワシを誰だと心得る!
テラン国王にして、唯一光の石を引き継いだものぞ!!」
『光の…』
『石?』きょとん
テラン国王「何だ知らんのか!
テラン国王に代々伝わる光の石だ!
それがワシを持ち手に選んだのだ!
弟と兄では光らせなかった。
代々受け継がれこそすれ、所有者として選ばれることはなかったのだ。
だが―ワシが選ばれたことで、次期国王がはっきりと定まった
だからこそ、唯一無二の王だと言われている」
『なるほど』おおお!感嘆
ケイト「光の解呪があんなに強かったのはそれでか」
