第82章 光芒(こうぼう)
かっ!!!!!!!!!!!
なんだ――?
突如として、手の中にある術式がうねりを上げた
光芒の術式が完成した矢先…その光に共鳴するかのように、何かが音を上げて近寄って飛んでくる
光と化して擦り抜けて飛んできたそれが…ケイトの元へ辿り着いたのは言うまでもなかった
かっ!!!!!!!!!!!
ケイト「『ジェット・ブラスト』――」
そんな声が響いた
直後、地鳴りと共に崩壊した
地下の亜空間だったのだろう…作られた場所が
崩壊する…そう思った矢先には体が動いていた
皆の動きに光芒を付与し、加速させることへと…
流石にケイトは動きたくても動けないようなので、救出に向かうつもりだが…
現状のみ述べよう
ケイトは、先程の『ジェット・ブラスト』という技の反動、加えてこれまでのダメージで、動けない
ケイトの奥義である『ジェット・バースト』と、『剪定の術式』の合わせ技のようだ
光と闇が光として一体化している、光として完成された術式らしい
僕の術式は闇のみ切り分けて原動力、異空間の基となる素体とされていたようだ
それが抜けたことによって、闇の原動力が消える
そして同時に…動力炉の力の源も消えたことで、地下の組織の活動は終える
と
なるほど…僕が引き寄せられたのはそういった意図ありきか
恐らく…僕が倒すべきだと感じたあいつは、王座に近寄れたもので、闇の術式を用いて分離させた
それによって、テラン国における浄化の力は半減した
それに伴い、テラン国に数々の問題事、及び事象を生んだ
元々一つだったものを無理に切り分けて分離させたことで、引力のように引き寄せられたと…
予想外の出来事は…僕が『光芒』の持ち主に選ばれたこと、そして同じ空間内に居れたこと…かな?
それはそうと急がないといけないね
今にも崩れ兼ねない
そう考えるが早いか踵を返した
ケイトの居た監禁場所に向けて走る…までも無く一瞬で着いた
思うだけで光と同化して向かわせる力もある術式らしい
全く詮無いと言うかなんと言うか…;
何とも言葉に詰まる中…これも僕の力、と割り切ることにした
フィン「…やあ」微笑
ケイト「………フ…ィ‥…ン」
息も絶え絶えで、力無くベッドに横たわったまま虚ろな目を向けるケイトを抱き上げた
フィン「迎えに来たよ。
よく頑張ったね」