第82章 光芒(こうぼう)
つまり癌とは――『どんなに大事にされなくても自分を大事にしようとしてくれる、掛け替えのない『大事な人達』』へ、自ら負担や命の危険を振り掛け脅かし、それを増やし繰り返すこと
それを酷いことと思わず、自らに対する献身も大事に想う想いも全て無いものとし、そんなつもりが無いと無自覚型は嘯き、自覚型は加速させ…自ら自分の好きに、勝手に歪め続けてゆく
自分の好きに支配しようとばっかり望むから、癌になって消える
そう、僕は結論付けた
ケイト「人よりも自分を大事にしろって言うのに全然聞かないんだ!!
ずっとずっと
人に自由を与えてさ!
それなのに全然自分には自由なんか与えないんだよ!!
いい加減自分のこと見ろよ!大事にしろよ!!
何回も何回も言ってるのに聞かないんだよ!!
どう思う!!?」むっすー!!
『いや…』ぷくくっ
フィン「誰かにソックリだよね^^」くっくっ
アイズ「うん…ホント」
『ぶふっ!!』
ケイト「?なんで皆笑って」
フィン「ケイトそっくり」ピクッピクッ
リヴェリア「言ってやるな」
『そっくり過ぎる』プルプル爆笑
ケイト「……;」
フィン「可愛い^^」くすくす
上記の昔のやり取りからも…
そして小狼達の話を聞いて、写し身との違いを察した
写し身の魂は、へその緒が無い
だから、消える時に容易く消え、体もまた消えてしまう
魂に宿る、実在化を、そのままに――諸に受けて
だから――小狼の魂を基にして、分離されているシャオランの魂の中身を引き出し、膜で包んで保護し、小狼の魂と繋げ合った
実在化の力を、小狼から伸ばされたへその緒を介して、与えられるように
そうすることで――写し身という理から、魂ごと抜け出させた
それにより…体もまた、写し身という影響を受けず、共に生きてる体となった
だが――同じ魂同士であることには変わりないので、それが同時に存在し続けても歪みを与えないよう、保護目的で小狼の魂が持つ膜に繋げて、一つの魂とすることで実在化を共に同じ空間で居続けられるようにした
写し身は、その魂は――創世神の膜とは異なる、魔力による膜で形作られている
体もまた、共に――
その対価は――自らの、創世神の膜の力
だから――治らなかった
治せなかった
対価による傷も、容易く治るはずのそれさえも
力尽くで治せたはずの、それさえも
