第82章 光芒(こうぼう)
男「……
もういいぞ…
悪夢等見るな」すっ
右掌の紋様を額の紋様へかざし、権限を持って解除させる
それから再び白い手袋を付けながらカメラに向けて命令を下した
男「……監視カメラを解け
もう必要ない」
「はっ!!」
切れたのを確認後…ケイトへ向けて歩み寄る
ケイト「フィ…ン……」
男「ふっ…」微笑
涙を流しながら、苦悶の表情で、尚も名を呼ぶ
それに向けて笑みをたたえ、そっと頭に手を伸ばす
一瞬躊躇してから…そっと頭頂部に触れた
男「ゆっくり休め…(目を細め)
良い夢を……」微笑
なで
ぎゅう
優しく、頭だけ抱き締める
固定化された状態のまま…ベッド上に乗ったまま……
男(……
娘「パパ^^」
妻「あなた^^」
ようやく…これでようやく、あと少しだ
待っていてくれ…
これで、悪夢を終わらせる
全てを……この地獄を………
たとえ……何があるとしても――)真剣
懐中時計を…手袋越しに、右手で握り締める
写真とケイト、その双方を同時に見つめながら…
大事なものを、今度こそ守り抜く為に――
その為に――生き抜いてきた、これまでの道のりが、果ての無く長かった、終わりのない道が…報われることを、強く、願いながら
創世神(大事な願いが、必ずしも正しい結果に結び付くとは限らない…
歪な願い、清い願い…どちらも正しいとは言い切れない
だからこそ…背負うのだ、向き合うのだ
それを忘れた時…人は、「癌」に傾く
正しさとは何かを、考えなくなった時…人を大事にしなくなった時……全てを害する「癌」と明確になる
それをさせない為に――自ら一人だけの幸せとなる形ではなく、もしそうなったとしても…ちゃんと、分かとうとする想いが、献身が、必要となる
繰り返すな――過ちを
過ちを、自らのものと認められなくなった時…
人は老い、朽ちてゆき、堕落し、消えて行くのだから
全てを――賭すとは、『守る』とは…「自らに合わせろと好きに歪める行為」では、決してない←4608ページ参照
『人のことを考え、見る行為』、それを『忘れない行為』のことを言う
それが出来ない内は――ただの押し付けに過ぎない、無理強いでしかない、人へ無理を強いているだけ
そこを弁えなくなった時…善と悪の線引きは崩れ、消えるのだ――永遠に!!)