第14章 遠征
この際ヒューマンでもいいと思わされたのは、例のフィアナに対する意見だ。
僕の抱いていた考えが根底から覆されたのを感じた。今までにない衝撃が頭から先まで走った。
そして気付けば告白に走っていた。
フィン「…よかったと思うべきか、いや…いずれでも変わらないんだけどね、この想いは」ぼそ
ケイトを愛しいと想う感情が心の中で渦を巻き、強く息衝いていた。
恋慕に現を抜かす気はない。頭ではそう考えていた。
それでも心は魅力的だと感じ、強く、深く、これまでにないほど惹かれていった。
ガレス「お主も恋の味を知ったか。
これまでが長過ぎたの」顎髭を撫でる
フィン「ガレスは味わったことが?」
ガレス「当の昔に振られてしもうたわ」溜息
フィン「それは苦い味だね」曇り顔
ガレス「そういうのは忘れるに限るが忘れられんものじゃ。
お主は初恋が失恋に終わらなかったことをもう少し喜ぶべきだと思うぞ?」
フィン「そうだね…
確かに、振られていればと考えるだけでぞっとする^^;」苦笑
ガレス「それが現実にも起こり得る。残酷で凄惨なものじゃ。
が、年を取る内に本人が幸せならと考えるようにもなった」
フィン「ああ。そうだね…
彼女が幸せならと考えてしまう自分がいる//」遠い目&腕組&頷
ガレス「OKされる所か結婚まで漕ぎ付けたんじゃ!
もう少しは嬉しそうな顔をせんか!」ばしぃっ!
フィン「ああ。ありがとう、ガレス^^
この幸せをもう少し噛み締めることにするよ//」くす
ガレスに背を乱暴に叩かれる中、僕は笑みを浮かべた。
僕は初恋の人と結ばれた。一緒に居たいと望まれた。
幸せ過ぎる。今という状況が恵まれ過ぎているようにも感じた。
馬車内は異空間になっていて、執務室のような豪華な作りと広さになっている。
ロキ・ファミリアの旗に抱き着いて子供のようにはしゃぐケイトを見ながら思わず笑った時、フォモールの大群の報せが鳴り響いた。