第81章 結び
ケイト「はっ!!)
俺と始祖神だけ膜が2重ということか!!」
書記官「うん、正解!
創世神は、魂を7つ生み出した
で、残った主軸である心、創世神そのものであった存在は、一つの魂となった…それが始祖神
7柱は独立して各々自由に動いた
だが…それとは引き換えに、始祖神は……」
ケイト&書記官「「己の自由を失った」」
書記官「ただでさえ全身を包む膜を切り売りしている状況だ
面積には限りがある、たとえ内容物は閉じられ混ざることは無いとしても…
生み出すものが、増えれば増えるほど…身を押さえ込まれる、更にその力は強くもなる
無理に抗い、暴れれば、動いたりすれば…
へその緒同士が接触し、傷付けないようにと力を纏わせれば、
それに触れた別のそれが千切れ、壊れ、その先にある全てが消滅してしまう
動くだけで…絡まったり捻れたりしてしまう
そうなれば力の供給が衰えて、千切れる元となってしまう
消滅の元にも…なってしまう……
だから…
1兆5000億年もの間…現在の始祖神である本体は、微動だにしてすらいない
分体に意識を飛ばして、分体のみ自由に動いたりすることは叶ったとしても…本体だけはどうにもならない
最初からそうだった訳ではなく、
段々と欠片も動けなくなったとのだと言う
パラレルワールドとか無限大もの世界を生み出していく内、そうしてでも後継者を生み出そうとしていく内…髪の毛一本さえも動けない状態となった
動きたくても動けないんだよ
声も出せない、身動ぎも出来ない、全ての自由を奪われる…意思伝達だけは可能だけど
どうしても口を介したいのなら分体でないと出来ない」
拘束官「おい;
引き継ぎたくなくなるようなこと
書記官「今伝えないでいつ伝えるの?
折角許可が下りたんだから、早い内に伝えておかないと
はっきり伝えられたからには、さ」
ケイト「……知ってる…」
『え!!?』
ケイト「夢で、見たんだ
長蛇の列があって…先が全く見えなくて…
その時…何の列か気になって聞いてみたら
「始祖神様に謝りに行くの」と言われた
本体の方だということは、感覚でわかってた
まるで…この先に必ず居るかのように…
ずっと動けないと決まってるみたいに……
その時…わかったんだ……薄っすらとだけど、何の確信も無かったけど」哀し気に表情を歪め力無く俯く
