第14章 遠征
フィン「君の実の生みの父親は龍神だ。
君の英雄譚の本を売り出された時
その件も系図に書き加えるよう手続きをしている内、君と話す時間が無くなってね^^;」
ケイト「…小人族と人族の体のつくりってどう違うの?;」
フィン「そんなに大きくは変わらないそうなんだが、あくまで体が指し示す数値的な問題らしい」
ケイト「へー。全くもって知らなかった;」
フィン「筋肉のつき方やそういったものは人によって違うが、種族的な違いに当てはまるものがあるらしい。
だから外見的に大きいだけの『小人族』と変わりない」
ケイト「なるほど…って本で教えてよかったの?」
フィン「別に大丈夫だろう。問題になることでもない。
寧ろその方が好ましい」
ケイト「え?何で?」
フィン「ヒューマンだとどの種族でも子を遺せるということになるからね。
ヒューマンだと誤解させたままだと、君に言い寄る人が増えてしまう。
そもそもヒューマンではなく小人族なのだから、小人族かアマゾネスかヒューマン相手でしか子は作れないし遺せない」
ケイト「はっ!)なるほど!」納得
フィン「敢えて知らしめることで、心置きなく僕らは前に踏み出せると考えたわけだ。
だが、決して誤解しないで欲しい。
フィン『不安にならなくていい。
僕が自分で決めて選んだ道だ。
人を奮い立たせるのに、種族は関係ない。現に僕は君に奮い立たされた。
君の勇気に、心意気に、愛に、ひいては真っ直ぐさに。
だから、君にノックアウトされたと言った方が正しいかもしれない^^//』
あの時の言葉(378ページ参照)に嘘偽りはない。
たとえヒューマンだとしても結婚する気だった。
もっとも、その時点では既に君が小人族だと知った後だったんだけどね。
伝えるのが遅くなって済まないと思っている」
ケイト「申し訳なさそうな顔…霊感からか、本心だって伝わってくる)
わかってるよ。悪気があってやったんじゃないってことぐらい。
でもせめて婚姻届けを出す時に教えて欲しかったってだけ、我がままを言わせて。
私も、フィンに心から惚れてることに、フィンが好きなことに変わりなんてないんだからさ^^//」
フィン「ケイト…//」
ケイト「フィン…//」
ぎゅうううう
喧騒は止み、互いに抱き締め合った後からさらに10分後、50階層へ向けて出立した。