第81章 結び
それが…白の国へ隔離されてから、数瞬後の想い
ケイト「……」
隔離された俺が今いる場所は通路の突き当たりで、後ろに人がいるのを感じた
きっかり数秒後、それに振り返ってから
すっ
俺は両手を揃えて差し出し、頭を下げた
かちゃ
それに前に立っている人から手錠を掛けられかけたが
ぐいっ
「要らん要らん」
その横にいたもう一人の人に、手錠ごとその人へ突き返され、俺の前へ割って入られた
突然、光の膜のようなもので顔以外の全てを一瞬で包まれて、そのまま縛り上げられ身動きが一切取れなくなった
ケイト「…(くらっ)
(なんだ…?
ねむ、く」かくっ
「本当はこんな所、来る人じゃないのに」
「シッ!」肘で小突く
呟いた女の人が、押しのけられた人から小突かれて、慌てたように口元を押さえるのを感じる
僅かな浮遊感に包まれる中、
俺は歩くことも無いまま、どこかに移動させられていくのを感じた
それから何かに横たえらされて、入れられた瞬間、全身が圧迫されるのを感じた
足元が細い筒か何かで微動だに出来ない中、左肩を押さえられて膜が引っ張られるのを感じた
ぐっ!!!←膜を引っ張る
ギギ←膜全体が全身を締め上げていく
ケイト「ぐっ…
あっ!」苦悶
「苦しいのか?
力を抜け」
ぐいっ
ぐっ!ぐっ!!←これ以上膜全体が動かないか動作を確認する素振りをする
「よし、保定しろ」
膜で縛った人が言った直後…
意識が完全に途切れた
それから――処罰を言い渡されるまで、まどろみの中にいたように思う
気付けば――沢山の人に囲まれていて、処罰を言い渡されていた
これから記すのは…始祖神を介して知った、その間に起こった出来事だ
白の国
神の力の悪用を防ぐ為に存在する異空間
純白で綺麗
逮捕兼裁判所
力に溺れたもの、または独断で何かを消滅させたものが行き着く場所
逮捕は元の空間や場所に戻れないよう隔離することを言う
罠にかかった、とも表現される
着いた時点で拘束され
後に裁判が執り行なわれる
総員30名の同意を持って、罰を下される
裁判官「全員揃ったな」
『はい!』
裁判官「では…これより裁判を始める!
厳正な処罰を!!」
かあんっ!!←ガベルを鳴らす
本来ならば堕天したものが流れ着く為、
ケイトのような神は前例がなく、想定されていない