第81章 結び
何の音も無い
神器も、何一つも無い
空虚で、空は真っ暗なのに真っ青で…
その中で…
ぽとっ
ぽとととっ
フィン&ダイアナや桜達『うわああああああああああああああああああああああ!!!&いやああああああああああああああああああああああ!!!』
同時刻――異なる世界線で、同じことが起きていた
テロップ『「Forgiven - Within Temptation」が流れる』
フィン『ああああああああああああああああああああ!!!!!!』
滂沱の涙と共に、慟哭が耳をつんざく跫音となって辺りに響き渡った
『何を許せと言うんだ&ですか!!!!!?』
そんな叫びが痛切に響き渡る中…
白の国では……
通路にいた
真っ白な、無機質な通路だった
ひとりで立たされていた
世界全体に及び切る前に出来た
怨霊による闇の消滅
その消滅の為に…消滅の危機に、世界全体を巻き込んだ
俺のせいで…
左足…治ってる
治してくれたのか…
運ぶ際に…弾け飛んだ左足も光に包まれていたから、そんな予感はしていた
それよりも…通路の向こう側にある世界に意識を向ける
余波を受けた人はいない…よかった
世界全体…神界、霊界、地獄、幽界、幽現界、現界…全ての世に及んだ怨霊の闇の力による消滅を、私の闇の力で消滅させた
でも…その私が世界全体に隙間なく拡げた闇の影響で、その闇に染まって、誰かが癌になる可能性も十分あり得た
私が…誰か一人でも癌になるのを心底嫌がったから、闇の影響を受けて染まることを避けたいと願っていたから…
本来現れるはずの「闇に触れることによる影響」もまた、消滅の対象となったのかもしれない
でもそれは…結果論に過ぎない
計算してやった訳ではないのだから…
罪は罪だから…
消えないと――いけない
それぐらいの勝手をした、世界全体を消滅の危機に巻き込んだ事実は変わらない…
その罪は……変わらない(ぐっ!)←拳握り締める
俺には…消滅が相応しい
それが…除霊後の、ごめんの意味
そして…
隔離フェーズに移行される前、光に包まれて消えて行く感覚に囚われながら…闇による消滅を、世界全体に脅かした人物として特定されていること
白の国へと隔離されることを察したから…ああ言った
そう言うしか、なかったから……