第81章 結び
丘に響いた雷鳴…と共に黒い雷が落ちる
より一層深い闇が一陣の風となって辺り一面を、丘全体を包み込んだ
僕とケイトは吹き飛ばされないよう踏み止まり、身構えた
フィン(やはり…戦いか?)左腕を盾にする
あたりを付けていたが…的中していたという訳か……
わざわざお腹にいたウル達を、アルとディの傍に置いてまで
それも…出産するまで無事に育つようにと魔術が織られていた時点で、察しは付いていた
男が…いや、実体を持った男に見えるが…これは……
神の力による作り物か?それも複数人数
何故だか知らないが…ケイトへの底知れない怨みを感じる
なるほど…だから僕等から離れようとした訳か
身代わりを置いてまで…
後進の育成は既に済んだ上…居なくなっても大丈夫なように整えられた
僕がいない間に…
ティオネと旅先の宿を恙なく取りに行っている間に、だ
ケイト『だけ』が居なくなっても大丈夫なように、ケイト自身の手で行われていた
まるで――この世界から消える準備でもしているかのように
ケイト「俺には…消滅が相応しい」真剣
怨霊「わかっているじゃないか…」
バリバリ
フィン「その雷…滅神か!!」ばっ!!←左腕を振り払い、周囲の闇一陣を払う
怨霊「そうだ…
お前以上のな!!」ごおっ!!!!
なるほど…
怨霊達が、魂が神の力を得たことで実体化したという訳か
怨霊「俺のことを覚えているか?」
フィン「…怨みの内容は?」
怨霊「散々甚振ってやったのに何故まだ生きていやがる!!?
俺らにもっと感謝しろ!!恐れ慄け!!!跪け!!!もっと媚びろ!!!俺達の為に動け!!!!
奴隷がどうして生きている!!!?もっと死んだように生きてろ!!!!
こんな世界必要ないだろう!!!!!
死んだ今だからわかる!!お前の心は常に夕闇だ!!!!
消してやるんだよ、こんなお前に可能性のある世界なんてな!!!!!」
ケイト「その前に…お前から神の力を奪って霊界に叩き込む!!
ごめん――始祖神、少しだけ力を!!
誰でも間違う
でも…だからこそ成長出来るんじゃねえか
認め合えるから、愛し合えるんじゃねえか
大事にしようって頑張れるんだろうが!
悪いのは…間違いを認めず繰り返すことだああああああああ!!!」ずあっ!!!←殴り掛かると共に額に紋様が浮かぶ