第81章 結び
お母さんが聞いてくれてるって思ってたし
いつかまた会えるって思ってたんだもん
信じて疑ってなかったの
その時から、かな…絶対この人のお嫁さんになるって、そう強く想うようになったのは
写真も無理言ってもらって
で…なんとか見つけ出したの
だってあの時…ありがとうも、ごめんねも、言えなかったから
わあ!これ好き!って私が言ったものを
食べろよ、って…笑いながらくれたんだもん
「おいっしー!」
「^^」
なでなで
心底嬉しそうに笑ってくれたんだもん
頭を優しく、撫でてくれたんだもん
心底…嬉しそうだったんだもん、私のことなのに…
本当は…痛いのに――痛いなんてものじゃないぐらいに酷い大怪我だったのに
でも当時の私は気付けなくって…気付かないぐらいに、夢中で……
ただただ嬉しくって…笑ってくれたのが
それが嬉しくって、仕方なくって…言うのをすっかり忘れてたの
それぐらい…大好きだったの
あの子とのひと時が、忘れられないんだもん←涙が滲んでゆく
(ぎゅっ)←膝を抱えたまま腕を右手で握り締める
きっと本人は忘れてると思う
無事で良かったとか
同じ痛い辛い思いをしなくてよかったとか
そんなのばっかりだったもん
でもね…一番痛かったのは……
痛いって言ってくれなかったこと!←涙が止まらないで流れ落ちてゆく
痛いって、苦しいって、言えばいいのに
全っ然!言ってくれないんだもん
こんな時なのに、それでも私ばっかり!!
もっと頼ってよ
もっとちゃんと話してよ
ぶつけてよ
そんなの嫌だよ…っ、ぐすっ
(ぐぐぐぐぐっ)←膝を腕で抱えたまま自身の腕を掴む手の力を強める
だから…
だから――
私が守るんだって!思ったんだもん!!
あの子にとって誰も頼りにならないんなら!
私がなるんだって!そう…思ったんだもん!!
一番大好きな人なんだからあああああ
わあああああああああああ!!!」
その言葉に…ケイトも涙が流れ出ていた
「………ありがとう
気付いていてくれて
ごめんな…心配、掛けて」
「ううん!!そんなの何でもないもん!!
ひっく
一番辛いのは―辛いのを隠させてるのが私達自身だってこと!!」
「いや、こっちが選んだことで
「でも!!そうさせたのは私達だもん!!!
ケイトは何も悪いことしてないじゃない!!!」